日本工業経済新聞社(茨城)
2017/05/18
【茨城】鬼怒プロ推進や東関道促進など要望/県事業連絡協議会を開催
国土交通省関東地方整備局、水資源機構と県が県内で実施する主要事業について情報共有と意見交換を行う「県事業連絡協議会」が12日、県庁で開かれた。国と県がそれぞれ本年度の事業を説明したほか、県は国の直轄事業に関する要望書を提出。圏央道の4車線化や東関道水戸線(潮来〜鉾田間)の整備促進、鬼怒川緊急対策プロジェクトの推進などを求めた。このうち直轄河川の整備については、那珂川と利根川の下流部における無堤部の早期事業化などを盛り込んだ。
会議には関東整備局から東川直正企画部長をはじめ本局幹部や県内出先事務所長、水資源機構の益山高幸ダム事業部次長、ネクスコ東日本関東支社水戸工事事務所の鈴木雄吾所長などが出席。県からは富永幸一土木部長、盛谷幸一郎企画部長、近藤慶一生活環境部長などが出席した。
関東地方整備局の東川企画部長は、同局の2017年度予算に触れた上で「今後の社会資本整備にあたっては、社会資本のストック効果が重要。経済を支えていく社会資本整備に取り組んでいきたい」とし、協議会について「今後の事業の進め方などについて、忌憚の無い意見を」と期待した。
富永県土木部長は、本年2月の圏央道県内全区間開通や国道4号古河小山バイパスなどの事業完了に礼を述べたほか、鬼怒川緊急対策プロジェクトについて「本年度から筑西合同庁舎内に鬼怒川流域緊急対策推進室の鬼怒川分室を設置した。地元調整をより円滑に進め、用地取得などについて国を協力に支援してまいりたい。県管理河川の事業もスピード感を持って取り組んでいく」とあいさつ。
議事では関東地方整備局、水資源機構が本年度の事業概要を説明。県は(仮称)石岡小美玉スマートICアクセス道路整備事業などの主要事業について説明したほか、国直轄事業に関する要望書を提出した。
県の意見・要望事項のうち、20年度をめどに約600億円を見込み進められている鬼怒川緊急対策プロジェクトについては、関東・東北豪雨並みの豪雨でも被害が発生しないよう「水防災意識社会 再構築ビジョン」のリーディングプロジェクトとして、ハードとソフトの対策を着実に進めるよう要望。さらに、鬼怒川本川と田川などとの支川との合流部においても、支川管理者と連携・調整のうえ、必要な対策の実施を求めた。県は、沿川市町とともに、用地取得、築堤土確保など国に全面的に協力していく。
また、那珂川下流部や利根川下流部における無堤部の早期事業化も要望。計画的な河川整備を進めるため、河川整備計画が未策定である小貝川や久慈川についても早急な計画策定を求めた。
本年2月26日に県内区間が全線開通した圏央道は、茨城国体や東京オリンピック・パラリンピックが予定されていることから、早期の4車線化を望んだ。
東関道水戸線の潮来〜鉾田間は、緊急輸送道路の役割などから、極めて重要な路線であることを強調。本年3月末に有料道路事業の導入が決定したことから、一日も早い全線開通を求め、県は今後も国の用地取得に全面的に協力していく方針を示した。
茨城港常陸那珂工区では、2016年11月から新たに完成自動車の輸出が開始され、今後の取り扱い貨物の増加や大型RORO船に対応する必要があることから、水深12m岸壁(2バース目)の早期整備を求めたほか、静穏度確保のための東防波堤整備推進も要望した。
鹿島港では、石炭を扱う予定である外港地区は、安全で効率的な荷役のための静穏度確保および計画水深の確保が課題となっていることから、南防波堤および中央防波堤ならびに水深14m航路・泊地の整備推進を所望した。
このほか、直轄道路の整備推進と霞ヶ浦導水事業の一刻も早い工事再開を求めた。