日本工業経済新聞社(茨城)
2017/05/17
【茨城】下妻地方広域事務組合がクリーンポート・きぬ基幹設備改良を6月にも発注
下妻市、八千代町、常総市(石下地区)、筑西市(関城地区)で構成する下妻地方広域事務組合は、ごみ処理施設「クリーンポート・きぬ」の基幹的設備改良事業として、老朽化する施設の長寿命化を推進している。早ければ6月にも改修工事を発注する見通しで、2019年度をめどに整備する計画。工事の専門性が高いため、発注方式は随意契約を視野に入れ検討する。17年度予算には3カ年継続費として30億717万3000円を措置している。
クリーンポート・きぬは、1997年から稼動しているごみ処理施設。1日当たり200tを処理できる2炉のごみ焼却施設と、1日当たり45t処理できる粗大ごみ処理施設によって構成する。
施設ではこれまで、定期的な修繕を実施してきたが、経年による劣化が目立つようになっていることから、施設全体の長寿命化を図るとし、基幹的設備の改良を決めた。16年度に実施した最終処理場「クリーンパーク・きぬ」の浸出水処理施設建設が竣工したことから、17〜19年度にかけてクリーンポート・きぬの長寿命化に着手する。
施設の所在地は下妻市中居指1100で、主要地方道である県道56号つくば古河線の北側に立地。施設西側には一級河川鬼怒川が流れる。敷地面積は3万7333・44u。
施設概要は、ごみ焼却施設がRC造およびS造地下1階地上3階建て、延べ6394u。粗大ごみ処理施設がRC造およびS造地下1階地上3階建て、延べ4162u。管理棟がS造2階建て、延べ1100u。このほか高さは59m、RC造の外筒(φ6・6m)と鋼板製の内筒(φ1・9m)からなる煙突が設置されている。
工事は、1炉を稼動したまま別の1炉を改修するなど、ごみの焼却作業を停止することなく実施する計画。16年に策定した工事仕様書を踏まえながら、施設内における工事箇所を決定していく。なお、仕様書は一般財団法人日本環境衛生センター(神奈川県川崎市)がまとめた。
計画進捗率は17年度時点で20%、18年度で40%、19年度で100%。
継続費の年割額は、17年度6億506万2000円、18年度12億211万4000円、19年度11億9999万7000円。このうち17年度事業費は、改良工事費に5億9500万円、施工監理委託料に650万7000円、発注支援業務委託料に355万5000円。なお、財源には国の循環型社会形成推進交付金などを活用する。
また17年度予算には、基幹的設備改良のほか、同施設の定期的な補修工事費として燃焼設備、排ガス処理設備、燃焼ガス冷却設備に1億977万7000円、ベルトやチェーンなど各種コンベアに1225万5000円を設定しているほか、空調設備の更新工事に1372万1000円を確保している。