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建通新聞社(東京)
2017/05/26

【東京】都 善福寺川上流に調節地新設へ検討着手

 東京都建設局は、善福寺川上流部の治水対策として新たな調節池の建設に向けた検討を始めるため、「善福寺川上流部治水対策検討」業務をパシフィックコンサルタンツ(千代田区)に委託した。時間雨量75_の降雨に対応するため、公共用地を活用して調節池を新設する考えで、候補地を選定した上で、掘込式や箱式、トンネル式といった複数の形式を比較検討し、最適な案を絞り込む。2017年度末までに成果を得て、設計委託などに備える。
 荒川水系神田川支流の1級河川である善福寺川は、杉並区善福寺2丁目の善福寺池を源流に、同区内を北西から南東に向かって流れ、中野区内で神田川に合流する延長10・5`。川沿いの市街化が進む一方で浸水被害が多発していたため、都は神田川・環七地下調節池を建設して洪水を取り込んでいるものの、想定貯水量を上回る豪雨が頻発し、浸水被害の発生が危惧されている。
 そこで、既設調節池の上流部で新たな調節池の建設を検討する。
 今回委託した業務では、まず、流域の特性を把握するため下水道の整備状況と今後の事業計画を整理し、河川への放流量を算定する。
 建設地については環状7号線交差部よりも上流部を前提とし、土地利用状況図などを基に候補となる公共用地を選定し、道路や河川との接続状況を調べて用地の緒元をまとめる。支障となる地下埋設物の有無についても確認する。
 これらの基礎情報を踏まえ、掘込式や箱式、トンネル式など調節池の大まかな形式や施設規模、事業費、工程を比較検討する。川の水を取り込むための取水施設の形式も考え、堰高・堰長を算出し、候補地の中で施設整備が可能か精査する。
 その上で、それぞれの案について治水効果の発現性や周辺環境への影響、施工性、経済性などを踏まえて最適な施設形式を絞り込む。維持管理に必要な施設・設備なども検討し、維持管理作業の内容を取りまとめ、事業を具体化していく。

提供:建通新聞社