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建設経済新聞社
2017/05/26

【京都】「道の駅」構想、概算で18億 敷地2万u、建物3000u想定

 長岡京市はこのほど、道の駅的施設整備基本構想を公表。規模は敷地2万uに建物屋内面積は3000u程度(S造を想定)で算出し、初期投資として概算で18億3350万円を見込む。
 メインターゲットは「地産地消・健康に関心があり、高付加価値を求めるミドル世代の女性」、施設コンセプトは「長岡京 道の駅的施設〜 “京”の「ほんもの」「上質」を気軽に体感できる拠点〜」と設定した。
 候補地は、北エリアと南エリアの2エリアを抽出した。北エリアは都市計画マスタープランで農業・田園住宅ゾーンに位置づけられており、主要アクセス道路は府道大山崎大枝線(文化センター通り)、府道向日善峰線、府道長法事向日線、府道西京高槻線(外環状線)。アクセス性が良く、観光資源(乙訓寺、光明寺、長法寺)との連携も可能な点を評価した。
 南エリアは都市計画マスタープランで交流拠点・文教住宅ゾーンに位置づけられており、主要アクセス道路・駅は京都縦貫自動車道長岡京インター、名神高速道路大山崎インター、府道大山崎大枝線(文化センター通り)、府道西京高槻線、府道奥海印寺納所線、府道下植野長岡京線、阪急西山天王山駅。道路利用者にとってアクセス性が良く、観光資源(勝龍寺、勝竜寺城公園)との連携も可能な点を評価した。
 導入機能は▽農産物直売所350u▽倉庫150u▽ギフト販売店200u▽体験工房150u▽調理体験室100u▽ギャラリー100u▽多目的室200u▽オーガニックレストラン・厨房50u▽オーガニックレストラン・客席150u▽カジュアルカフェ・厨房50u▽カジュアルカフェ・客席100u▽チャレンジショップ180u(30uの店舗が6店舗)▽観光案内所100u▽トイレ150u▽24時間トイレ150u▽備蓄倉庫50u▽管理施設・事務室50u▽管理施設・会議室50u▽管理施設・更衣室20u▽管理施設・倉庫35u▽管理施設・休憩室50u▽廊下450u。
 屋外面積は1万1800uで、▽交流広場2500u▽再生可能エネルギー・ボイラー室150u▽修景施設・水庭1000u▽修景施設・竹庭4300u▽駐車場2900u▽管理用駐車場180u▽バス停留所・待合室50u▽バス停留所・車寄せ700u等。敷地内通路に5200uを配分する。
 初期投資は、建築工事費(3000u)10億5000万円、基盤整備工事費(2万u)6億円(外構1万5000円/u、土木工事1万5000円/u)、基本設計1000万円、設計料1億1500万円(建築8400万円+土木1600万円+測量・地質調査1500万円)、工事監理料3800万円(建築3100万円+土木700万円)、維持管理・運営計画策定費1000万円、開業費1050万円(建設工事費の1%と設定)とし、概算の合計は18億3350万円を見込む(土地取得費は対象外)。
 売上額は年6億円を想定する。
 事業手法は、指定管理者制度による公設民営の道の駅で数多く導入されている公設民営のD+B+O方式と比較検討する形で公設民営のDBO方式、民設民営のPFI方式(BTO方式)を検討対象とする。
 今後は、29年度に基本計画、30年度に基本設計、30〜31年度に実施設計をまとめ、31〜32年度に建設工事を行い、33年度に施設供用開始を予定。
 なお同市は28年度に基本構想の策定等を行う「長岡京市道の駅的施設設置検討コンサルティング業務」をパシフィックコンサルタンツ(京都市下京区)で進めた。
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 長岡京市への観光入込客は年間約125万人と一定あるものの、観光消費額は年間1人あたりで420円と単価が低いのが現状。市内に大型の観光ホテルはなく、観光客の滞在時間が短いのも課題となっている。
 京都第二外環状道路(京都縦貫自動車道)の開通と阪急西山天王山駅の開業で交通アクセスは大きく向上しており、同市の経済発展と活性化に結びつくシンボル的な施設として道の駅的施設の構想が浮上した。
 同市は、27年7月に関係部局の若手職員で構成する道の駅的な施設の設置検討に係る庁内ワーキング会議を立ち上げ。全国の道の駅的施設での成功事例のとりまとめ、同市の北部地域と南部地域での設置を想定した施設案をまとめるなどしている。