県は、枕崎地区の特定漁場整備事業計画(案)を策定した。事業期間は2017年度から25年度までの9カ年で、総事業費は88億700万円を見込む。枕崎市漁業協同組合が3カ所で荷さばき施設の改築や製氷施設の新設を行い、行政による基盤整備と併せて機能を充実させる。
現在、高度衛生管理体制が構築されているのは、16年3月に県が整備した冷凍カツオを取り扱う荷さばき所1棟とその前面の水深9m岸壁のみ。そのため、4月に策定した高度衛生管理計画に基づき、冷凍カツオと青物を取り扱う外港地区と沿岸物を担当する内港地区でも体制強化を図る。
漁船大型化等への対応は、泊地浚渫に加え、水深9m岸壁を新たに2バース整備。既設と併せて2隻同時の陸揚げ体制を確立する。
高度衛生管理体制の構築は、枕崎市漁業協同組合が担当。外港地区の水深3m岸壁および水深6m岸壁に屋根を設置し、現荷さばき所の南側および北側を壁またはシャッターで囲むことで、陸揚げから荷さばき、出荷における異物混入等を防ぐ。
荷さばき所の拡張によってゾーニングを行い、氷の供給量を確保するため、製氷施設も新設する。
内港地区では、水深4.5m岸壁に屋根を設置するほか、排水設備および海水殺菌装置を導入して、前面泊地の環境保全および活魚水槽からの溢水による水産物の汚染を防ぐ。
事業費の内訳は、県が担当する土木関係が水深9m泊地浚渫(5万6750u)1億1300万円、水深9m岸壁新設(210m)15億900万円、水深6m岸壁改良(267m)7億円、水深4.5m岸壁改良(100m)2億円、用地改良(1万4350u)6500万円。
建築関係では、荷さばき所改良(3式)55億円、製氷施設(1式)7億2000万円を予定している。