浦戸湾周辺の地震津波対策を目的とした高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業の着工式典が14日、高知市内で行われた。
海岸保全施設を「三重防護」により、発生頻度の高い津波(L1)の侵入を防ぐ「防災」、最大クラスの津波(L2)に対しては避難時間を稼ぐ「減災」対策を図る同直轄事業は2031年度の完成を目指し、動き出した。
国交省四国地方整備局は14日、高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業着工式典を高知市内で開催し、国会議員、尾ア正直知事、県議会議員など関係者約130人が出席した。
主催者を代表して田中良生国土交通副大臣は「海岸保全施設整備は、三重防護により津波エネルギーを減衰させ、市街地への侵入を防ぎ、県都高知市を守る非常に重要な事業だ。今回の着工は安全、安心の確保、経済活性化へ新たな一歩を踏み出すことになる。早期完成に向け安全で着実に進めていく」と語った。
尾ア知事は「県全体の防災に極めて重要な事業で、悲願であり歴史的な事業だ。順調な事業進行を願う」とあいさつ。
同事業は2016年度に国の新規事業として採択され、総額600億円を投入し31年度の完成を目指し国と県が事業を進める。直轄施工の初弾として今回、轟組施工の「高知港海岸湾口地区堤防(改良)等工事」が行われる。
提供:建通新聞社