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建通新聞社
2017/05/19

【大阪】阪高 RC床板取換へ本年度優先順位付け

阪神高速道路会社は高速道路リニューアルプロジェクトで、高架道路部の鉄筋コンクリート製床版の取り換えに向け、工事を発注する区間の優先順位付けを2017年度内に進める考えだ。コンクリート床版の耐久性の解明に向けた大型試験を埼玉県川島町にある実験施設で4月から実施しており、年内をめどに試験結果を取りまとめる方針。試験結果を踏まえてコンクリート床版取り換えの優先順位付けを18年1〜3月に行い、18年度にも詳細設計に着手する見通しだ。工事発注は19年度以降が見込まれる。
 阪神高速道路の総延長約249`(京都線を除く)のうち、1973年以前に建設した箇所(延長約50`)は、供用開始後コンクリート床版のひび割れ発生などを受けて、床板下部に鋼板を接着することで補強を実施している。大規模更新・修繕事業では、適用設計基準と外部からの目視点検で支障が明らかになっている区間(大規模更新での床版取り換え計画4路線3・1`と大規模修繕での床版取り換えの合計)について、コンクリート床版の取り換えを実施する計画。
 ただ、鋼板接着補強後の再劣化と疲労耐久性の関連性に関する知見が十分には蓄積されていないのが現状。そこで、12号守口線でひび割れが確認されたコンクリート床版の輪荷重試験を14〜15年に実施したところ、ひび割れがない床版と比べ15分の1程度の走行回数で破壊し、疲労耐久性が著しく小さいことが分かった。これを受けて15〜16年度に大規模更新・修繕事業の対象コンクリート床版について詳細調査を実施。疲労耐久性に影響を及ぼす指標として、ひび割れ(上段主筋付近)や床版たわみなど九つの指標を抽出した。
 4月から実施している試験では、2路線(15号堺線、11号池田線)5カ所の床版を切り出し、輪荷重走行試験を実施中。試験を通じて疲労耐久性に影響を及ぼす要素を確認し、優先順位付けを実施する考え。