トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北陸工業新聞社
2017/05/18

【富山】とやま建設イノベーション/富山市が快適トイレ≠初導入/「掃除しやすく、きれいに使える」/八田橋架替工事に設置/佐藤工業JV

 国土交通省が公共工事の建設現場で普及を進めている「快適トイレ」について、富山県内の地方自治体発注工事では初めて、富山市発注の「八田橋(上流側)架替工事」(施工=佐藤工業・日本海建興・角地建設JV)に導入された。
 快適トイレは、国交省が規定する標準仕様を満たす、男女ともに快適に使用できる仮設トイレの総称。建設現場の環境改善を図るため、同省が16年8月、直轄工事での導入を発表した。
 発表を受け、県内の自治体ではいち早く、富山市が同年11月より導入を決定。従来の和式の仮設トイレの代わりに、快適トイレを設置した工事に対し、追加費用(上限4万5000円/基・月)を負担する制度をスタートさせた。
 自治体発注工事で第1号の設置現場となった、八田橋作業所(佐藤工業JV)の関和二所長は、「富山市から照会があり、今年1月に設置した。これまでの仮設トイレは狭く、どうしても汚くなりがちだった。今回設置した快適トイレは、従来の倍以上の広さがあり、掃除もしやすく、きれいに使える」と評価。
 さらに、「今まではトイレの中で服を脱ぐ場所はなかったが、快適トイレはスペースに余裕があり、雨天時なども利用しやすい。トイレ内に洗面所があるので清潔」と指摘する。
 利用者からの意見も好評であり、現場に出入りする女性のダンプ運転手からは、「とても良いトイレですね」との評判だったそうだ。
 現在の現場には女性が常駐していないため、快適トイレは1基しかないが、男女別の専用トイレを設ける場合は2基まで補助対象となることから、「本当は、もうひとつ設置したいところ」との本音を吐露する。
 快適トイレの設置費用は1基当たり月約5万円。今回はこのうち、4万円の補助を得ている。関所長は、「女性が働きやすい環境は、男性にとっても良い環境。今後、快適トイレの標準化が必須になっていくのでは」と話す。
 快適トイレの標準仕様は、機能が(1)洋式便座(2)水洗機能(3)臭い逆流防止機能(フラッパー機能)(4)容易に開かない施錠機能(二重ロック)(5)照明設備(6)衣類掛けのフック付または荷物置き場設備機能―、付属品が(7)男女別の明確な表示(8)入口の目隠しの設置(9)サニタリーボックス(女性専用トイレ)(10)鏡付きの洗面台(11)便座除菌シート等の衛生用品―となる。
 より快適になるために推奨する仕様・付属品は、▽室内寸法900ミリ×900ミリ以上▽擬音装置▽着替え台▽フラッパー機能の多重化▽窓など室内温度の調整が可能な設備▽小物置き場など―が挙げられている。
 なお、富山市建設部建設政策課によると、快適トイレに関し、3月末時点で10件程度(協議中含む)の申込があるという。取り組みが始まったばかりで、品薄状態との指摘もあるが、「普及が進めば必然的に解消されると思う。女性技術者にとっても働きやすい環境につながる観点からも快適トイレ設置の取り組みを、当面続けていきたい」(同課)との構えだ。

hokuriku