九州地整・県・諫早市 本明川総合水防演習 建協諫早支部など54団体1500人が参加 官民の連携・協力による総合水防演習が14日、県内で初めて諫早市の本明川で行われた。主催した国土交通省九州地方整備局、県、諫早市のほか、気象台や自衛隊など54団体から約1100人が参加。一般参加も含めると総勢約1500人の大規模な演習となった。建設関係では、(一社)長崎県建設業協会諫早支部や諫早管工業協同組合などが参加した。
開会式では国交省本省の五十嵐崇博水資源部長が、洪水などからの逃げ遅れゼロや社会経済被害の最小化≠目指し、ハード・ソフト両面から防災・減災を総合的・一体的に進める改正水防法が12日に成立したことに触れ、「本日の演習も同法の趣旨を踏まえ、実践的な訓練を行う」と述べた。さらに「水防活動と河川整備は車の両輪。国交省としても国民の生命・財産を守るため、災害現場の第一線にいる皆様との一層の連携強化に取り組んでいく」との決意を示した。
引き続き演習の統裁を務める中村法道知事が、演習参加者に対し「日ごろ鍛え磨いた技能を十分発揮し、現実の災害を頭に描きながら緊張感を持って対処してほしい」と呼び掛けた。
開催市の災害対策本部長である宮本明雄諫早市長は「諫早大水害から60年の節目の年に、九州各県で開催されてきた総合水防演習が諫早で開催できるのは意義深い」と発言。そして、演習に市内の幼稚園児から大学生までの若い世代も含む多くの団体が参加したことを挙げ「過去の水害を忘れず、災害に強い街づくりの推進に当たり心強い。今後も、参加団体との連携を図って防災・減災に取り組む」と誓った。
演習は、大規模な災害を想定して事前に作成した『タイムライン』に沿って、情報伝達や各種水防工法、避難訓練、水難者救助訓練などを実施。ここでは、水マット工など新技術を活用した越水対策のほか、地元建設業者による応急復旧なども行った。
演習の総裁を務める小平田浩司九州地方整備局長や、統裁の中村知事ら役員は、これらの取り組みを巡視。巡視者を代表して取材に応じた九州地整河川部の永松義敬河川調査官は「河川整備などのハード対策が進んでいる一方で、雨の降り方は激甚化・集中化している。本明川は水位の上昇が早い河川。早め早めの避難が重要」と訴えた。