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北陸工業新聞社
2017/05/16

【富山】とやま新機軸/総合建設業として地元貢献/スター総合建設社長澤田聡氏/「売上、社員増へ礎築く」

 佐藤工業グループのスター総合建築と佐栄建設が16年4月に合併し、社名をスター総合建設(富山市桜木町)に変更。総合建設業として新たに歩み始め、1年余りが経過した。澤田聡社長は「佐藤工業の業務を補完することが第一義。地元業者としては、地元の建設産業の振興に努め、関係各社とのコミュニケーションを図っていきたい」との方針を示す。スター(STAR)の頭文字からSatisfaction(満足)Trust(信頼)Assurance(保証)Relief(安心)を社是に掲げ、社会に貢献する活動の場を広げていく。
 グループ経営による連結決算に向け、「経費を圧縮するため、建築のスターと土木の佐栄を統合する方向に決まった。継続雇用制度を見据え、グループOBを受け入れる役割が薄くなり、土建を分けている意味もなくなってきた」と合併の経緯を説明。建築は富山市の経審ランキングも上がり、土木は現状を維持。「両業務のオファーを一手に受けるので、土木から建築、建築から土木というチャンスが増えた」とメリットを挙げる。
 今後の課題として「土木の工事をどう受注していくか。そこに重点を置いていく」と強調。土木は佐藤工業の工事の一部を請け負う部分が多く、「お互いに利益を按分しているような環境は決して健全でない。スターでなければだめだという流れに変えていく」とし、受注増を目指す。土木職員は佐藤グループとしての技術力を身に付けており、「会社の規模は小さいが経験で培ったノウハウをフルに使い、難工事の施工協力などを各地で進めていきたい」と意気込む。建築については、「佐藤グループであることを全面的にアピールし、数多くのストックでリニューアルやメンテナンスに取り組む」と既存建築物の再生・活用を図る。
 21年3月期までに売上高30億円の目標を打ち出し、社員の数も増やす方針だ。即戦力を求め新卒者を入れてこなかったが、今年は高岡工芸高校から1名を採用。「ゼネコンは人がすべて。フレッシュな人材をつなぎ、持続可能な会社の素地、礎をつくりたい」とし、毎年の採用活動にも力を入れていく。社員に対しては、クリエーターとしての姿勢を求め、「品質は人格。顧客の要求やニーズを超え、ウォンツまで昇華させて仕上げたとき、すごく感動していただける」と指摘した上で、「そのためには、自分の人格を高めて、品質に結び付けること」と説く。自ら積極的なトップ営業を展開し、その理念を訴え続けている。
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 さわだ・さとし 54年11月22日生まれ。千葉工業大学工学部建築学科卒。77年に佐藤工業入社。クロスランドおやべ、オーバード・ホールなどの現場を担当したほか、技術部長や建築事業部長などを歴任。14年6月にスター総合建築の社長。趣味はラグビーで、9月のねんりんピック秋田に出場する予定。

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