東京都港湾局は、今後の海上公園の整備・運営の指針となる「海上公園ビジョン」を策定した。公園機能の一層の強化に取り組みながら、民間活力を生かしてにぎわいの創出に取り組む方針を打ち出した。海に面した園路や広場、サイクリングルート、ランニングコースなどを整備するとともに、生物多様性保全の拠点となるビジターセンターを整備していく。民間事業者を活用し、公園の魅力を高めるカフェ・レストランやレクリエーション施設の整備も検討する。
ビジョンでは、海上公園を臨海地域のブランド力向上や東京の都市力の強化につなげることを基本的な考えとし、社会的要請に沿った公園機能の強化と、民間活力を生かしたにぎわい創出を事業の柱に位置付ける。
東京の都市機能を高めるため、周辺地域との緑の連続性を意識しながら海上公園の整備を進めるとともに、海に面した園路や広場を整備する。サイクリングルートやランニングコースの整備に加え、夜間照明の充実や休憩施設の設置なども進めていく。
生物の多様性を保全していくため、公園の特色に応じた生物種の保全対策を実施する他、臨海地域の自然環境について学習することができるビジターセンターなどの拠点を整備する。環境負荷を低減するため、照明灯のLED化など海上公園の省エネルギー化を進める。公園の整備・改修時には環境配慮型の資材を積極的に使用。太陽光や風力、バイオマスといった再生可能エネルギーの活用を拡大する。
安全・安心な公園づくりとして、公園の出入り口や園路などの拡幅、防災対応トイレの整備などを行うとともに、健全度調査を行った上で、公園の護岸を順次改修していく。
地域ニーズへの対応とにぎわいの創出では、民間事業者を活用し、海上公園の魅力を高めるカフェ・レストランや水辺レクリエーション施設の整備を検討する他、保育園やコンビニエンスストアの誘致も視野に入れる。
提供:建通新聞社