北海道建設新聞社
2017/05/15
【北海道】札幌都心部で容積率緩和へ−市が都市開発制度運用方針で
札幌市は2018年度の策定を目指す、札幌駅や大通周辺など都心部を対象とした都市開発制度の運用方針具体化に着手する。まちづくり方針に沿った土地利用計画制度の考え方を明確にした上で、これに沿った取り組みに対する容積率割増しなどの規制緩和措置により、民間開発の誘導を図る。都心部のエリア設定についても検討の中で詰めていく。
16年3月に策定した第2次都市計画マスタープランでは、都心の方向性として高い次元の都市文化機能誘導やグリーンビル化の推進を打ち出した。都心のビル群が相次いで更新時期を迎える中、民間開発を誘導してこれらの実現を目指す。
都心での民間開発は、公開空地など総合設計制度の活用で容積率緩和を求める計画が増加傾向にあり、容積率割増しへの事業者ニーズは高い。
これまでは個別事業ごとに対応してきたが、都心の地区特性に沿った市としての土地利用計画制度運用方針を示し、容積率緩和を誘導策に据えることで、建て替えなどの民間開発を促しつつ、マスタープランが目指す方向に誘導。要件や割増し率についても具体化検討の中で定めていく。
市は12日付で運用方針策定支援業務を公募型プロポーザルで公告した。6月下旬までに受託者を決め、7月から作業に取り掛かる。土地所有者や開発事業者のヒアリングを進めながら有識者を交えた意見交換会議で方針具体化を図り、18年度の方針策定につなげる。
具体的には2月に運用を開始した地域交流拠点等開発誘導事業から、補助制度を除いた都心版をイメージ。
地域交流拠点では都心を除く地下鉄やJR駅の周辺を対象に緩和型の土地利用計画運用を示し、歩行空間や滞留空間の確保や環境負荷低減といった要件を満たす場合、最大で1・5倍までの容積率割増しが受けられる制度となっている。