国土交通省豊橋河川事務所は、2017年度事業概要を公表した。豊川の牛川霞堤地区などで水害の軽減を図るため、築堤に向けた地元協議などを実施する他、矢作川の志貴野地区の矢作古川分派施設関連工事を進める。17年度事業費は、矢作川と豊川を合わせて27億6832万円となり、前年度当初予算比では0・7%減となる。
豊川の17年度事業費は、同5・5%増の11億7902万円を計上した。内訳は、河川整備事業に11億3002万円、都市水環境整備事業に4900万円。
河川改修では、霞堤地区の浸水被害の軽減対策として、牛川霞堤地区・下条霞堤地区・賀茂霞堤地区・金沢霞堤地区に対するハードとソフト対策について検討する方針で、関係機関や地元と調整を図る。17年度は「豊川霞堤地区浸水被害軽減対策計画」に基づきソフト対策として、CCTVカメラの設置、ハード対策で築堤に向けた設計と用地調査などを進める。
河川維持修繕では、豊川放水路の古川排水機場で、ポンプ1台の分解整備を行う他、老朽化した分流堰ゲート設備の修繕を行う予定。平井地区では、堤防天端舗装を実施する。総合水系環境整備では、三河湾河口部の干潟やヨシ原の再生に取り組む。
一方、矢作川では17年度事業費として、前年度当初予算比4・9%減の15億8930万円を計上。内訳は、河川整備事業に14億5670万円、都市水環境整備事業に3400万円、受託工事費に9860万円を盛り込んだ。
このうち、河川改修では西尾市志貴野地区で、矢作古川分派施設関連を進める。安城市小川地区と岡崎市合歓木地区では、延長500bに対する堤防の嵩上げと築堤を継続する他、岩津地区で堤防補強を行う。
豊田市の白浜地区では、愛知県が進める「高橋」の架け替え(受託)を行う他、河道掘削を継続する。瑞穂地区でも河道掘削を継続する。
維持管理では、矢作川水系総合土砂管理計画の策定に向けて、技術検討ワーキンググループ(仮称)による技術的課題の解決に向けた土砂管理手法の検討、「矢作川水系総合土砂管理検討委員会」の実施などを行う。
総合水系環境整備では、河口部におけるヨシ原の再生に取り組むため、試験施工やモニタリング調査で得た基礎資料を基に実施し、水辺環境の復元を図る。
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建通新聞社