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北陸工業新聞社
2017/05/12

【石川】3地区で新産業団地整備/3期目「躍動小松」スタート/建設業界とやさしいまちづくりを/小松市長/和田愼司氏

 先の小松市長選で3選を果たした和田愼司氏。新任期がスタートし、約1カ月が経過した。3期目の市政運営は「躍動小松」が旗印。15〜25年度のまちづくりの指針「NEXT10年ビジョン」に基づき、様々な施策を推進する和田氏に今後の展望を聞いた。

 肝入りの事業の1つが小松短大と、こまつ看護学校を統合する公立小松大学だ。「南加賀には短大や専門学校はあるが、4年制大学がない。医療・福祉や技術の進歩が著しい中、少なくても4年制、場合によっては6年制の大学が必要」と強調する。新大学は8月に認可決定、来年4月に開学する予定。校舎整備では既存校舎を改修するほか、看護学校の隣接地で「末広キャンパス」を増築する。今年度に新校舎用地の造成が行われ、事業の進捗が図られる。
 市内では、北陸新幹線の敦賀延伸に伴う住宅の補償移転が相次ぐ。さらに、イオンモールの従業員による転入でアパートは満室状態。来年の小松大学開学も考慮すると、学生のアパートが足りず、各ハウスメーカーなどが鋭意建設を進めている。小松駅前の中央キャンパスの学生をターゲットにした店舗も駅周辺で増えているという。「小松市は投資を呼び込むまち。アパートは年内に100室は増えるだろう。大学の整備は波及効果も大きい」。
 市内の産業団地は完売が続く。4車線化が進む国道8号小松バイパスの好アクセスを強みに、幹線沿いの正蓮寺エリアで産業団地を整備中だ。花坂では新幹線工事の残土を有効活用し、新たな産業団地を整備していく。企業誘致では「医療系や薬品系などに働きかけており、女性の働く場を確保する」と話す。小松空港に隣接する安宅新地区の遊休地も活用。「空港を生かした産業や物流基地にしたい。それぞれの地域に合った企業誘致を行っていく」と意欲を見せる。
 他の自治体に先駆け、市の発注工事に3D―CADを導入。1500万円以上の案件で導入し、初年度となる14年度の3件(適用率4%)から16年度は48件(同65%)へ増加した。今年度は全体の7割近くの導入を目指すという。「発注案件に3D―CADを何らかの形で使うようにしている。住民への説明や工事の検査もしやすいし、生産性や品質の向上、コスト低減にもつながる」。3D―CADのデザインは「女性の方が上手」と見ている。「男性中心の業界に女性が入ることで現場の環境は変わっていく。職場も綺麗になるし、働き方改革になる」と説き、建設業界における女性技術者の活躍に期待を寄せる。
 地元の建設業でもアイ・コンストラクション、ドローンの使用などICT施工の取り組みが進んでいる。「そういうことが広がっているのはコマツなどの良い企業が地元にあるから。その技術を借りて建設業界もレベルアップしていけばマーケットも広がる。ユニバーサルデザインなど、市民にとって住みよい、やさしいまちづくりを建設業界と一緒に考えていきたい」。

わだ・しんじ 1951年11月生まれ。同志社大経済学部卒。コマツに入社し、産機事業本部副本部長などを経て、09年小松市長選に初当選。65歳。

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