福島建設工業新聞社
2017/05/11
【福島】水素製造拠点/候補地は浪江町169ha
経済産業省資源エネルギー庁の補助を受けて東芝、東北電力、岩谷産業が整備を計画する「再生可能エネルギー由来水素プロジェクト」の実証候補地について県は、10日開いた新生ふくしま復興推進本部会議で、浪江町の棚塩・請戸地区約169fを推薦することに決めた。立地個所は夏にも正式決定する見込みで、世界最大規模の水素拠点整備が始動する。
実証候補地の選定は、資源エネ庁が4月に県に対して選定を依頼。県が市町村に候補地を募った結果、福島市と郡山市が各2カ所、浪江町が1カ所を応募した。県は@用地状況Aインフラ状況Bシステム間の距離C費用―の視点で比較検討し、浪江町の旧浪江・小高原子力発電所用地128fと防災集団移転促進事業用地41f(町有地)を候補地に選定した。
3者が計画する同プロジェクトは、再生可能エネルギーを用いて大規模に水素製造を行い、輸送・貯蔵技術と組み合わせて水素を有効活用するもの。システムの構築を本県で実証し、32年までの運転開始を目指す。
水素の年間製造能力は900d(FCV=燃料電池自動車1万台分)を想定し、水素システム建設用地は4・5f、太陽光発電(容量20h)用地は36fが必要としている。
今後は事業可能性調査終了後、9月から再エネ電源の設計を行い、水素システムは30年半ばまでの着工を目指す。東京オリンピック・パラリンピックが開催される32年度に実証の運用を開始させたい方針だ。実証は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて実施する計画。