京都市行財政局は8日、「京都市立芸術大学及び京都市立銅駝美術工芸高等学校移転整備工事設計業務委託ただし、建築及び設備基本設計・実施設計業務委託」について、公募型プロポーザルで公告した。WTOに基づく政府調達に関する協定の適用案件。
プロポの参加資格は、▽一級建築士事務所としての登録を行っている建築士事務所であること又は当該建築士事務所を代表者とするJVであること▽京都市競争入札参加有資格者名簿(測量・設計等)における登録種目が建築設計であるものに登録されている者▽主たる用途及び当該部分の延べ面積が、次のア、イのいずれかの新築、増築又は改築に係る設計業務を元請(JVとして受託した場合は、その代表者の実績に限る)として受託した実績を有する。(ア)次の学校施設のいずれかで、延3000u以上(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校)(イ)次の文化施設のいずれかで、延500u以上(劇場(音楽ホール含む)、博物館(美術館含む)、図書館)等。
業務概要は@京都芸大及び銅駝美工移転整備工事に係る基本設計及び実施設計A元京都市立崇仁小学校解体工事に係る実施設計B元京都市立崇仁小学校体育館改修工事に係る基本設計及び実施設計。
対象建築物の概要によると、整備延べ面積は6万3630u。京都芸大が5万5680uで、内訳は美術学部合計が延2万8737u、音楽学部合計が延9962u(うち音楽ホール(講堂)2413u)、共通が1万6985u(共通教育スペース、日本伝統音楽研究センター、芸術資源研究センター、事務局、芸術資料館・附属図書館など)。銅駝美工は7950u。構造形式は未定。階数は地上最大7階建程度。
元京都市立崇仁小学校の建物のうち、解体対象は本校舎及び南校舎(昭和31年〜50年築。RC造2階建及び3階建、合計延3287u)、プール(RC造、築造面積約300u)、その他付属施設(プール付属室、プール更衣室、倉庫3棟、屋内歩廊、渡り廊下、プレハブ倉庫、パーゴラ、飼育小屋、遊具、その他屋外付帯設備等、S造及びRC造平屋建、約300u)。
元崇仁小学校の体育館は存置し、芸大等移転後に芸大及び銅駝美工の体育館として活用するため改修する。対象はSRC造平屋建、延約800u。
基本設計段階における施設のゾーニング・レイアウトは複数案を比較検討し、配置図や平立断面図のほか必要に応じてスタディ模型、簡易パース等を作成し、関係者対話を踏まえて検討、合意形成の上、30年2月末をメドとして結論を導くとした。基本設計は30年9月末までに成果品の一部(基本設計図)を提出するよう求めた。
音楽ホール(講堂)は、室内楽を中心にオーケストラやオペラ上演が可能な施設とし、音響設計を最優先課題とする。席数は800席程度(オーケストラピット使用時は700席程度)。
プロポのスケジュール予定によると、参加表明書・第一次審査書類の提出は6月19日5時まで受け付ける。参加資格確認結果の通知を6月26日に発送。第一次審査(書面審査)を7月5日に実施し、第一次審査結果及び意見の通知(技術提案の要請)を7月10日に発送する。技術提案の期限は8月14日5時まで。第二次審査(ヒアリング審査)を8月30日に行い、受託候補者選定結果の通知は9月11日に発送予定。なお5月22日に移転予定地及び現施設(京都芸大及び銅駝美工)の見学会を開催する予定。
履行期間は32年3月31日まで。
上限委託料は6億5450万円(税抜)。技術提案書の提出者には報償費30万円を支払う。
担当は京都市行財政局総務部総務課(рO75−222−3045)。
京都市立芸術大学移転整備工事設計業務受託者選定委員会(委員長・門内輝行京都大学名誉教授)で第一次審査(書面審査)を行い、5者程度を選定。第二次審査(ヒアリング審査)で受託候補者及び第2位、第3位の計3者を選定する。
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工事発注は工種及び工区ごとに分離発注を行う予定。
今後の予定によると、32年度に施工者を選定した後、工事着手し、34年度まで工事を行い、35年度の供用開始を目指す。
移転事業の概算事業費(設計・調査費、建設費)は約250億円を見込む。このうち、銅駝美工は概算事業費(建設費、設計費)約30億円を見込む。
移転予定地はJR京都駅の東側に位置する下京区の崇仁地域。塩小路通南側で鴨川と高倉通に挟まれたエリアとなり、敷地面積は約3万8000u。敷地は東側から、鴨川沿いのA地区(約1万2000u。元崇仁小などがある)、B地区(約6000u)、C地区(約2万u)の3地区に分けられている。グラウンドはA地区に1800〜2400uを確保する。銅陀美工はC地区の河原町通沿いに移転する予定。またオープンスペース(将来活用地)をC地区南側に4000u確保する。
京都市立芸術大学移転整備基本計画は日本総合研究所大阪本社(大阪市西区)が担当。