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建通新聞社(東京)
2017/05/02

【東京】都 伊豆小笠原諸島海岸保全で基本計画改定

 東京都は「伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画」を改定した。発生頻度の高いレベル1(L1)津波に対して、原則として施設整備で生命・財産を守る方針を打ち出し、背後の集落に浸水域の発生する可能性がある新島の若郷地域や神津島の沢尻・長浜地域、八丈島の洞輪沢地域、父島の二見地域、母島の沖港地域で、津波防護に関する施設整備を実施する。安全確保のため施設管理と維持・修繕を着実に進めていく考えだ。
 現行計画の策定から13年が経過して地域や社会経済状況が変化したことに加え、東日本大震災を踏まえた防災・減災対策、老朽化した施設の適切な維持管理が求められていることから、これらを反映して海岸保全施設の整備方針を見直した。
 基本計画の対象は▽大島町(大島、海岸延長54・0`)▽利尻島(利島、海岸延長7・7`)▽新島村(新島・式根島、海岸延長53・8`)▽神津島村(神津島、海岸延長33・3`)▽三宅村(三宅島、海岸延長38・4`)▽御蔵島村(御蔵島、海岸延長16・4`)▽八丈町(八丈島・八丈小島、海岸延長51・3`)▽青ケ島村(青ケ島、海岸延長9・4`)▽八丈支庁直轄(鳥島、海岸延長8・4`)▽小笠原村(弟島・兄島・父島・母島・硫黄島・北硫黄島・南硫黄島・南鳥島、海岸延長302・8`)―。
 海岸保全施設の整備に関して、▽現在の侵食速度で今後50年間進むと想定した場合の侵食の影響範囲▽台風などによる高潮の浸水範囲、越波による飛まつの影響範囲▽L1津波の影響範囲―が及ぶ地域を「防護すべき地域」に設定。原則として施設整備による対策を実施する。
 頻度は極めて低いものの甚大な被害の発生が想定されるL2津波に対しては、住民の避難を中心にハード・ソフトの総合的な対策を進める。
 併せて、安全確保のため施設ごとに策定した長寿命化計画に沿って、計画的で効率的な施設管理と維持・修繕を進める。
 また、港湾・漁港整備に伴う浚渫土砂や島しょで発生する砂材を、砂浜の侵食箇所への養浜材として有効に活用したり、砂の移動を把握した上で効率的に海浜を安定化させられる工法を検討するなど、総合的な土砂管理を行う。

提供:建通新聞社