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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/04/29

【茨城】市町村長・市町村議会議長会議で県主要施策の情報を共有

 市町村長・市町村議会議長会議が27日に県庁で開催され、県の当初予算概要や部局別の主要政策が、県側から市町村側へ説明されたほか、意見交換が行われた。土木部は圏央道や東関道水戸線の整備状況、災害に強い県土づくりの推進について、警察本部は交通安全施設整備事業について説明。企業局は水道施設耐震化などの取り組みを紹介した。
 この会議は、知事や県幹部職員、市町村長、市町村議会議長が一堂に会し、県の主要事業について意見交換することにより、その結果を県政や市町村行政に的確に反映させるとともに、相互の理解と信頼を深めるもの。
 橋本昌県知事は、県政全般について話しながら、災害に強い県土づくりについて「2020年度までの復興創生期間の中で緊急輸送道路などを整備していく。また鬼怒川緊急対策プロジェクトを進める」としたほか、圏央道について「県内区間開通後間もないが、利用者が多い。早期の4車線化を国へ強く働き掛ける」などと話した。
 来賓の藤島正孝県議会議長は「多様化する県政の諸課題解決には、県と市町村が一丸となってまい進することが重要である」とあいさつ。
 市町村を代表して豊田稔県市長会長は、東日本大震災や関東・東北豪雨からの復旧・復興に向けた県の着実な対応に感謝した後「市町村も地方創生の推進に向け、鋭意取り組んでいる。将来に夢と希望を持てる地域社会づくりに向け、県と十分な連携を取りながら取り組みたい」と述べた。
 続く議題では、まず県当初予算の概要を説明。社会資本整備については「国補が前年度比8・1%増、県単が13・3%増となった。特に県単では、傷んだ道路の修繕や通学路の安全対策、河川の堆積土砂の除去などを拡充した」と話した。
 部局別の主要施策では、県幹部がそれぞれの重点事業を紹介。土木部では、高規格幹線道路整備に国の内示ベースで113億9800万円を計上。そのうち圏央道には31億9000万円を配分し、埼玉県境〜千葉県境で側道整備を行う。
 県では、圏央道の4車線化の早期着手を国や高速道路会社に強く働き掛けるとともに、関係市町におけるIC周辺開発計画を支援していく。
 東関道水戸線には82億1000万円を配分。潮来IC〜鉾田IC間の約31qはこれまで国土交通省が整備を進めていたが、さらなる事業の進捗を図るため、3月末にネクスコ東日本が施工者として加わることが決定。用地取得率は8割を超え、15年度から工事を進めている。
 鉾田IC〜茨城空港北IC間の約9qは、17年度中の開通に向けネクスコ東日本により工事が進められている。
 県は引き続き、地元3市(潮来市、行方市、鉾田市)の協力を得ながら国に全面的に協力するとともに、一日も早い全線開通に向けた十分な予算の確保や整備推進を働き掛けていく。
 災害に強い県土づくりの推進では、東日本大震災関連に292億2200万円、関東・東北豪雨に25億6416万2000円を計上。大震災からの復興では、磯原海岸や大洗港海岸、大北川など15カ所の堤防、護岸、離岸堤のかさ上げ、港湾背後の堤防新設などを進める。道路では、国道349号那珂常陸太田拡幅など20カ所の復興関連道路を整備するほか、水戸神栖線(鰐川橋)をはじめとする3カ所で橋梁を耐震化する。
 企業局では、31億7730万9000円で水道施設の耐震化などを進める。管路更新(耐震化)は約11qの工事を予定し、27億円を配分。建築物や場内配管の耐震補強、緊急連絡管整備を行う第2次耐震化事業には4億円を予算化した。
 水道施設の改築・更新は55億2519万9000円で、各浄水場の中央監視制御設備更新工事などを行う。
 警察本部では、交通安全施設整備事業に18億8349万7000円を予算化。交通危険箇所の改善やゾーン30の整備などを進める。