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日本工業経済新聞社(茨城)
2017/04/28

【茨城】普通建設事業費5%減/県内市町村の本年度当初予算まとめ

 県市町村課はこのほど、本年度の市町村当初予算(普通会計)の概況をまとめた。県内44市町村のうち増額編成は18市町村。暫定予算の城里町を除く43団体の当初予算規模は1兆1464億6600万円で、対前年度比0・3%(32億3000万円)の増。普通建設事業費は、東日本大震災による市街地液状化対策事業の進捗などにより、前年度比5・4%(102億4500万円)減の1783億7400万円となった。
 復旧・復興分を除いた43市町村の当初予算規模は、1兆1165億3600万円で、前年度に比べ0・7%(72億1300万円)増加。予算規模が前年度比で増加しているのは18市町村で、復旧・復興を除くと22市町村となる。
 本年度当初予算の特徴としては、歳出面において、普通建設事業費が全体で102億4500万円減少。このうち補助事業が東日本大震災による市街地液状化対策事業の進捗などにより7・3%(65億7400万円)の減、単独事業が斎場整備事業の終了などにより3・7%(36億7100万円)の減となった。
 歳入面は、地方税が新増築家屋の増を見込む固定資産税の増などにより1・9%(78億700万円)の増となる一方、普通交付税が税収見込みの増などにより4・4%(60億5700万円)の減となっている。
 また、国庫支出金が、廃棄物処理施設の建て替えなどにより2・9%(46億4900万円)の増。なお、財政調整基金からの繰入金は3・5%(10億1900万円)の増となっており、必要な財源を基金の取り崩しにより補填する厳しい状況が続いている。
 前年度比で予算規模が増加した市町村のうち、地域優良賃貸住宅整備事業により境町が17・4%、鉾田南中学校区統合小学校整備事業により鉾田市が13・5%、新庁舎建設事業により水戸市が10・8%と、それぞれ2桁の伸びを記録。
 一方、小中一貫校建設事業が終了した河内町(21・3%)や、新庁舎建設事業が終了した坂東市(15・1%)などが前年度に比べ大幅に減少した。
 県は「今後も高齢化や人口減少などにより、市町村の行財政運営は厳しい状況が続く見通しであり、老朽化した公共施設の更新費用や社会保障関係費などの増加への対応などに迫られることが見込まれる」とした上で「引き続きゼロベースの視点に立った事務事業の抜本的な見直しを図るとともに、自主財源の確保、公共施設の統廃合など徹底した行財政改革に取り組み、財政運営の健全化を強力に推進していく必要がある」と、今後取り組むべき対応策を示した。