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建通新聞社四国
2017/04/28

【徳島】徳島市 新ホール候補地検討で概算コスト

 徳島市の新ホール(音楽・芸術ホール)の建設候補地を検討する「市ホール建設候補地検討会議」(会長・山中英生徳島大学理工学部教授)の第3回会合が24日、徳島市内で開かれ、市は候補地3カ所における規模・概算コスト(建設費)、土地の概算額などを初めて示した。敷地面積が最も狭い文化センター敷地を基準に、できるだけ無理のない低層の施設とし、基本的な施設の条件とされる大ホール1500席、小ホール200席、創造支援ゾーン約1000平方b(延べ床面積9000〜1万平方b)を見込んだ場合、新ホール自体の建設費の目安を70億〜90億円程度とした。
 各候補地における建設費などは、初会合で委員から「全体の事業費(概算総事業費)」として求められていたもの。建設費は他都市同等規模施設の建設単価を参考に算出(地上部で1平方b当たり税込み75万円)。総事業費は流動的な要素が強く、現時点で算出不可能としたが、各候補地ができるだけ相対的に比較しやすいよう、条件をそろえて算出した。また、土地の概算額はあくまで2016年分相続税評価額の路線価で算出。実勢価格とは異なることを強調した。
 市によると、敷地面積が最も狭い候補地1の文化センター敷地では、活動室や研修室、スタジオ、リハーサル室(大ホールの舞台と同規模)を設ける創造支援ゾーンといわれる機能を地下に配置し、大ホールと小ホール、共通エリア(ホワイエ)を地上階に配置した場合、建設費を80億〜90億円とした。また、市における建築物に付置する駐車施設に関する条例(付置義務条例)で、駐車場が60〜67台分必要になるが、周辺地で確保することを想定し、駐車場は整備しない。土地については市有地を除く1619平方bについて、概算額を約1・9億円とした。
 候補地2の徳島駅西側のJR四国などが所有する敷地についても、基本条件機能の平面配置が難しいことから、文化センターと同様に創造支援ゾーンを地下に、大ホールと小ホール、共通エリア(ホワイエ)を地上階に配置した場合、建設費を80億〜90億円とした。また、付置義務条例で駐車場が同数必要になるが、文化センター敷地と同様に周辺地で確保することを想定し、駐車場は整備しない。土地(4866平方b)については概算額を約5・9億円とした。
 一方、候補地3の旧動物園跡地は、全て市有地なため土地の取得コストは不要。敷地面積も約1万8879平方bと十分にあり、基本条件機能の平面配置が可能なため、建設費は70億〜80億円程度と算出した。しかしながら駅から離れているため、別途来場者用の駐車場確保が必要になるとした。仮に300台を想定し、自走式立体駐車場の整備を見込んだ場合、地盤改良費も含め約3億円かかると試算(建築面積を抑え、平面駐車場とした場合は舗装費のみ)した。
 基本条件では、1000〜2000席規模の大ホールをはじめ、小ホール、創造支援ゾーンを配置でき、新町西地区市街地再開発事業での新ホールの建設費以下に抑えた施設建設が23年度開館で可能な土地が求められている。建設費などの説明を受けて、委員から「全体の事業費が分からないのは残念」「どの土地も一長一短あり、何を優先させるのかが分からないと決めようがない」といった意見が出された。
 次回は5月11日に開き、市長へ提出する意見書をまとめることになるが▽施設条件▽土地条件▽周辺条件▽整備コスト・期間−で、各項目に対する3候補地の優劣を評価する予定。同17日には市長への意見書を提出することにしている。

提供:建通新聞社