今回は、4月1日付で北陸地方整備局伏木富山港湾事務所長に着任した金丸佳介氏を訪ね、着任の抱負や富山の印象、今後の施設整備の見通しなどを伺った。
―まず、所長就任の抱負からお願いします。
港湾は、人々の生活を支える核となるインフラ。伏木富山港は富山県の貿易額の95%を扱っており、物流の拠点であるこの港をしっかり守り発展させたい。
また、港はクルーズ船が寄港するなど、にぎわいの場の舞台としても注目されている。住民参加による地域振興の取り組みが継続的に行われる施設を国交省が登録する「みなとオアシス」制度では、県内から伏木富山港と魚津港が登録されており、港を核としたにぎわいづくりも進めたい。
―これまでの経歴を教えて下さい。
最初の着任は北海道開発局で1年目は道路、2年目は河川を担当。3年目は東京に戻り、国土計画局(現在の国土政策局)で2年間、5年目は港湾局、6年目から3年間は鉄道局で勤務した。外務事務官(一等書記官)として在インド日本国大使館で3年間勤めた後、前任の港湾局産業港湾課国際調整官を2年間担当。今回が事務所勤務2回目で、北陸地方および港湾系の地方勤務は初めて。
国土交通省は中央省庁再編により、01(平成13)年に誕生したが、私が入省した04年当時は、いろんな仕事を経験することができた。ただ、私のように省庁再編前の北海道開発庁、国土庁、運輸省、建設省のすべてを経験できた人はあまりいないと思うため、これまでの様々な経験を今後の仕事に活かしていきたい。
―初めての富山の印象はいかがですか。
着任から間もないが、桜の開花を見ることができた。自然が豊かで、食べ物もおいしく素敵な所。日本酒も飲みやすく、ついつい飲みすぎてしまう(笑)。人々もみなさん優しく、出身地の宮崎県と人口規模などが似ていることもあり、懐かしさを感じている。
―今後の施設整備計画の見通しは。
新湊地区では唯一コンテナを扱っており、取扱量は約7万TEUで推移。取扱量を増やすには手狭であり、来年度の完成を目指し、岸壁とヤードの延伸を進めている。伏木富山港は歴史のある港なので、各地区で古くなった施設の老朽化対策を行っている。今後もしっかり対策を進め、港を守っていく。
―港湾行政を進める上でのポイントを。
港湾は荷主を含めた利用者、港湾管理者の県、漁協などプレイヤーが多岐に渡る。一方的に施設を造るのではなく、それぞれの考えや意見をきちんと聞きながら調整し、開発と維持管理を進めることが必要。そのためには、日ごろの意思疎通が大切になる。
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かねまる・けいすけ 1978(昭和53)年7月生まれ。38歳。宮崎県出身。九州大学大学院工学府建設システム工学専攻修了。モットーは国家公務員として、国全体のために責任感を持って仕事をすること。大学時代は野球に打ち込んだが、「今野球をやると怪我をしそうなので、いずれマラソンに挑戦できるよう体を動かすよう心掛けたい」。今回は家族との同居。「子供がまだ小さいので、休日は出来るだけ遊んであげたい」そうだ。