新たな食肉センターの建設を検討している高知県は、食肉処理施設建築の可能性調査を第一コンサルタンツ(高知市)に委託した。@高知県広域食肉センターの現在地(高知市海老ノ丸13ノ58)で稼働しながらの建て替えA同地で稼働を止めての建て替えB四万十市営食肉センターの現在地(四万十市不破出来島2058ノ1)で稼働しながらの建て替えC仮想の土地での建て替え−4パターンで検討を進め、基礎資料を作成する。
現在の高知県広域食肉センターは、四万十町以東の28市町村で構成する事務組合により建設され、高知市など3市や全農、食肉組合などで構成する高知県中央食肉公社が管理しているが、築37年が経過し施設の老朽化が進んでいる他、牛や豚の処理件数が減少し、赤字が続いている。このため、同センターの在り方を考える検討委員会では、昨年10月までに、と畜機能の廃止(食肉流通機能は存続)を答申していた。
一方、県は畜産振興のために食肉センターは必要不可欠であり、県内に存続すべきと考えており、県や市町村、学識経験者、センター利用者、生産者、量販店などで構成する整備検討委員会を昨年11月に立ち上げ、これまでに3回の会合を開いている。8月までに計6回開催し、新施設整備に向けた方向性を出したい考えでいる。
これまでの整備検討委員会では、週5日稼働、9割の稼働率を前提とし、豚換算で1日当たり220頭程度を処理できる能力と想定、と畜機能と一次加工部分のみで本体関連経費16億円程度、関連工事経費5億円程度掛かるとの試算が出されている。また建設地については、現在の高知県広域食肉センターの場所に建設するのが望ましいとしているが、四万十市営食肉センターへの統合、新たな場所への建設といった可能性もある。
今回着手する可能性調査では、既存の2施設で道路状況や用途地域といった立地状況、建物の構造や内部生産ラインの流れ、導入設備、配管ラインといった施設の状況について取りまとめを行い、両施設が抱える問題点、課題を整理する。高知県広域食肉センターと仮想の土地で建て替える場合は、同センターの7割程度、四万十市営食肉センターで建て替える場合は、現施設を1・3倍に拡張した規模を想定し、概要を取りまとめる。調査期間は9月末ごろの予定だが、6〜7月にも開催予定の第5回整備検討委員会で中間報告し、8月の最終会合でも一定の状況報告をする見込み。
それぞれの現況は、高知県広域食肉センターが敷地面積1万4641平方b、建物総面積延べ4549平方b。四万十市営食肉センターが敷地面積9823平方b、建物総面積延べ3567平方b。
提供:建通新聞社