国土交通省徳島河川国道事務所は、13日付で「阿南安芸自動車道概略設計」を開始した。委託先は日本工営四国支店(高松市)。同自動車道について、美波〜牟岐間における道路概略設計の修正を行う他、牟岐〜野根間の都市計画決定に向けた資料作成などを進める。2018年3月30日までの期間で業務を完了させるが、美波〜牟岐間ではまだ概略検討の初期段階、牟岐〜野根間では関係町のまちづくりや関連するコントロールポイント(利便性を考慮した道路の通過すべき地点や避けるべき建物など)の見極めもこれからで、両区間の事業化にはまだかなり時間を要しそうだ。
阿南安芸自動車道は、阿南市を起点とし高知県安芸市を終点とする総延長約110`の地域高規格道路。四国横断自動車道と南国安芸道路につながり、高速道路計画空白地域を補完して「四国8の字ネットワーク」を形成する。県内では、日和佐道路(阿南市福井町小野〜美波町北河内)約9・3`が全線開通の他、桑野道路(阿南市下大野町〜内原町)約6・5`と福井道路(阿南市内原町〜福井町小野)約9・6`、牟岐バイパス(BP、牟岐町川長〜中村)約2・4`が事業中。
今回の業務対象となる美波〜牟岐間、牟岐〜野根間は、牟岐BPの北と南でそれぞれ未着手区間となっている区間。美波〜牟岐間は約11`、牟岐〜野根間は約27`。このうち牟岐〜野根間では、すでに対応方針(ルート帯やインターチェンジ(IC)位置などの案)が示され、津波発生時に国道55号の代替えの他、円滑な救命・救助活動のアクセス確保や地域の医療・産業・観光振興の活性化を支援する自動車専用道路とする一方、地域防災公園などとの連絡方法について、昨年から国・県・関係町が連携して検討・協議を進めている。
業務について、美波〜牟岐間では、道路概略設計の修正の他、地域の課題への対応や経済性を考慮したICの最適配置(3カ所程度)の検討などを行う。また、牟岐〜野根間では、都市計画決定に向けての資料作成を行うとし、関係町の防災公園構想やまちづくりの具体化を受けて、コントロールポイントを見極めるなど、ルート選定に向けての調査や条件整理を行うことにしている。
なお、同事務所によると、美波〜牟岐間についてはまだルート帯すらできていない状況。また、牟岐〜野根間についても県の都市計画決定手続きを前に、「地域防災公園やまちづくり計画の策定など、関係町でクリアすべき課題も多く、今回の業務ですぐに進展が図られるものではない」と強調する。いずれにしても今後は、同業務を基に修正に修正を重ねながら、早期の事業化に向け熟度を高めていく考えだ。
提供:建通新聞社