京都市は24日、京都経済や地域の活性化に貢献する「上質宿泊施設」誘致制度の概要を発表した。5月1日から制度の運用を開始する。運用期間は33年度末までの5年間。
門川大作市長が記者会見で明らかにした内容によると、三山の山すそなど宿泊施設の立地が制限されている区域(住居専用地域、工業地域、市街化調整区域)でも、そこでしか味わえない京都の魅力が体験できるとともに、京都経済の発展や地域経済の活性化に貢献する宿泊施設を「上質宿泊施設」として誘致する制度を創設する。
同制度で上質宿泊施設候補に選定された計画は、宿泊施設の立地が制限されている区域において、都市計画法や建築基準法等の関係法令に基づき、特例的に開業を認める措置(特例措置)の活用を検討する。
市が新たに設けた「旅館・ホテル等拡充・誘致相談窓口」で上質宿泊施設計画の提案を受け付ける。
上質宿泊施設候補要件は、共通要件が@山間地域など周辺地域の魅力を最大限に活用した計画A長期の事業計画で、安定した雇用の創出など地域経済や活性化に寄与するB市内産品・サービス(伝統産業製品、市場流通・市内産食材、市内産木材等)を活用した計画Cその他市の方針や政策(防災、福祉、環境対策等)に寄与する計画。
各施設タイプの主な要件は、ラグジュアリータイプが「上質な宿泊体験やサービスを提供し、京都の奥深い魅力や文化を堪能できる宿泊施設」(▽スイートルームの設置▽最低客室面積40u程度▽滞在型宿泊施設としての充実した付帯設備(プール、フィットネス、スパ、バー、レストラン等))、MICEタイプが「MICE機能をはじめ、地域産業活性化に寄与する機能を持った宿泊施設」(▽ものづくり産業の関係者の利便性を高める施設(会議場、研修室、貸事務所、企業ブース等)▽主たる客室の最低面積25u程度▽ゆったりと滞在可能な付帯設備(フィットネス、バー、レストラン等))、地域資源活用タイプ(オーベルジュタイプ、歴史的建築物タイプ)は「特にその場所や建物の特性などの地域資源を活用したサービスを提供する施設」(オーベルジュタイプは▽主たる客室の最低面積30u程度(新築の場合)▽3室以上の客室▽宿泊可能人数より多いレストラン客席、歴史的建築物タイプは▽古民家、近代洋風・和風建築など歴史的価値のある既存建築物を活用するもの)とした。