高山市が、国の景観まちづくり刷新支援モデル地区に採択された。目に見える形で景観整備を促進する事業で、国は今後、3年間の集中的な支援を行う。市はこれを受け、想定している事業計画に沿って、2017年度内に具体的な内容をまとめ、18年度から整備を加速させる方針。
現段階で想定している事業計画は、高山駅東側の一帯で「高山駅東口駅前」「東西歩行者軸」「宮川河川軸」「下町拠点施設」「歩行空間の創出」「その他」のゾーンごとに順次整備を進めていく。
「高山駅東口駅前」は、飛騨地域の玄関口として、良好な景観を確保することを目的に、屋外広告物などの外観修景や植栽、ストリートファーニチャー(街中のベンチや案内板など)の空間整備を行う。
「東西歩行者軸」は、駅から歴史的町並みへの歩行者の動線整備として、電線類の地中化や舗装のリニューアルなどを行う。
「宮川河川軸」では、回遊性の向上と良好な水辺空間の創出として、宮川人道橋の新設や宮川朝市通りの石畳化、宮川沿いの建築物の外観修景などを行う。
「下町拠点施設」では、歴史資源の活用と地域活性化、交流促進の視点で、若者などの活動拠点整備を行う。
「歩行空間の創出」では、良質な歩行環境の整備や日本遺産の活用として、景観に配慮した側溝、舗装の整備の他、遊歩道や案内看板、まちかどスポットの整備、駅西駐車場の整備を行う。
「その他」としては、良好な景観の創出や公共交通との連携の観点で、屋外広告物の外観修景整備やバスの待合所の整備を進める。
この事業計画を基に17年度、内部で具体的な整備内容をまとめる。
国交省は、「観光立国の実現」を具体化するため、全国中から10のモデル地区を指定した。各地域に対し事業の2分の1以内の補助率で3年間集中的に事業費を支援する。モデル地区では、施設や道路などのハード整備と広報など魅力向上に向けたソフト対策の両面の整備を進める。
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建通新聞社(2017/04/21)