日本工業経済新聞社(群馬)
2017/04/21
【群馬】伊勢崎市が境島小学校をガイダンス施設として活用
伊勢崎市は、活用方法を検討していた旧境島小学校(境島村1968−40)について、一部を(仮称)史跡田島弥平旧宅ガイダンス施設として活用する。開設のために、内装の一部改修を検討しており、具体的な内容はこれから詰めることになるが、17年度に準備を進め、18年度の開設を目指している。
校舎は、RC造2階建て、延べ床面積1169u。普通教室6室に特別教室5室などが配置されている。敷地内で隣接して福祉交流館しまむらがあり、施設内には同宅の案内施設が設置されている。
ガイダンス施設は、案内施設の代替機能を持たせるもので、1階西側のみを使用する。1階東側は現状通り同宅の修繕に伴う部材・資料の保管庫として利用し、2階はそれ以外の収蔵庫や整理室に活用する。
ガイダンス施設の整備にあたり、この案内施設の機能を移転するだけでなく広いスペースでの資料展示やDVD上映、休憩ができるスペースとして整備する。新耐震基準以降に建設されたため、耐震補強は計画していない。
開設にあたって市は、有効活用に関する計画を策定しており、16〜20年までの短期計画、21〜29年までの中期計画、31年からの長期計画と分けて活用方法を検討。ガイダンス施設整備は短期計画の中で盛り込まれたもの。
中期計画では、同宅の修繕が完了することを受け、同宅内へのガイダンス機能の一部移転や縮小の方針を示している。このほか、福祉交流館しまむらが26年に耐用年数を迎えることから、同校の利用なども視野に入れて検討を行うとしている。
長期計画は、引き続き施設を利用するための修繕を行いながら、地区内の境島村公民館が31年に、同校が39年に耐用年数となるため、利用方法の再検討を行う。
同校は、15年度末に閉校。その後に地域住民へのアンケートや推進会議による検討などを経て同計画が策定された。
田島弥平旧宅は、近代養蚕業のさまざま遺構が残る施設で、14年には富岡製糸場と高山社跡、荒船風穴で構成する「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録。16年度には来訪者が4万人を越えるなど観光地としても注目されている。機能移転は、現在の案内所にあるガイダンススペースが狭い、休憩場所がないなどの課題解決を目的としている。