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建設新聞社(長崎)
2017/04/18

【佐賀】九州地整ら 建機の遠隔操縦装置の新型『ロボQS』を開発

九州地整九州技術事務所 潟tジタ、鰍hHIと共同研究
   小型軽量化、取付方法の簡易化、取付可能機種の拡大などで、災害復旧に迅速対応『ロボQS』を取り付けた操縦席 このままオペレータが乗って運転することも可能

 国土交通省九州地方整備局九州技術事務所(福岡県久留米市、島本卓三所長)は、油圧ショベルに対応した遠隔操縦装置(ロボQ)の新型である『ロボQS』を開発した。同事務所と潟tジタおよび鰍hHIとで、3年前から研究を進めてきた。現在は同事務所に1台を配備したのみだが、従来型の更新時期など考慮し今後の導入を検討していく。
 12日には同事務所敷地内で、操作実演も交えたお披露目会が開かれた。あいさつに立った島本所長は、無人化施工の技術は長崎県雲仙普賢岳の噴火災害対応を機に急速に発展してきたこと、昨年の熊本地震の対応でも従来型のロボQを導入していたことに触れた。そのうえで「九州は地震や台風など自然災害の発生が多い。従来型での課題であった部分を、新技術の開発により克服した。安心、安全基盤の整備に微力ながらも寄与できれば」と事前準備の重要さを呼び掛けた。操作実演の様子
 従来型からの大きな変更点は、小型軽量化、重機への取り付け方法の簡易化、取り付け可能機種の拡大などがある。いずれも、災害発生時の一層迅速な初動対応を目指してのこと。
 新型の重量は、従来型が約180`cであったのに対し約80`c。駆動方式をコンプレッサーが必要であった圧縮空気式から、重機のバッテリーを使った電気式へと変更したことで大幅軽量化を実現。取り付け方法の簡易化も相まって、3人で作業すれば約30分で重機へ取り付け可能。装置は取り付けたままで、人が搭乗して運転もできるようになった。
 また、分割することで通常のワンボックスカー1台を使って運搬可能。加えて、従来型はコンプレッサーに油を必要としていたために空輸ができなかったが、新型は空輸もできる。
 さらに、従来型が搭載可能な油圧ショベルの機種は近年減少していたが、新型はほぼすべての機種に搭載可能。災害発生現地での重機調達も容易となる。
 実際に装置を試運転した参加者は「装置の反応が良く、遠隔での操縦も特に問題なさそう。このような機械があれば、今後さらに無人化施工も進んでいきそうだ」と語った。
ksrogo