県は、枕崎市漁業協同組合と一体で枕崎漁港の機能充実に向けた整備を行う。新たな計画の事業期間は2017年度から25年度までの9カ年。水深9m岸壁を新設するほか、荷さばき施設の改良や製氷施設の建設を予定。総事業費は88億700万円を見込む。
事業名は水産物供給基盤整備・枕崎地区。流通拠点漁港として、海外まき網漁船の大型化など、近年の消費者ニーズへの対応を図る。
事業費の内訳は、土木関係が水深9m泊地浚渫(5万6750u)1億1300万円、水深9m岸壁新設(210m)15億900万円、水深6m岸壁改良(267m)7億円、水深4.5m岸壁改良(100m)2億円、用地改良(1万4350u)6500万円。
建築関係では、荷さばき所改良(3式)55億円、製氷施設(1式)7億2000万円を予定。最新の施設に更新することで衛生管理を徹底し、安全安心な水産物を供給する。
同漁港は、県の整備で16年4月に高度衛生管理型荷さばき所が完成。岸壁と荷さばき所の一体的配置により、漁船からの陸揚げ、搬送まで一連の作業での衛生管理を徹底している。
荷さばきスペースは、建屋で覆うことで鳥獣などによる異物混入や風雨・直射日光による水産物の鮮度低下を防いでいる。今回の計画で、さらなる衛生管理に配慮した流通体制の強化を進め、輸出促進につなげていく。