徳島県は、「2017年度入札・契約制度の改正および運用の改善」を公表した。総合評価落札方式の新たな評価基準(配点など)の導入や見直しなどを盛り込み、受注機会の拡大を図る一方、建設企業が適正な評価を得られるよう、災害時の活動における評価などを見直す。この他、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の推進による担い手の確保、ゼロ県債導入に向けた検討など、建設企業の立場に立った執行を目指す。一部を除き5月1日から適用する。
受注機会の拡大では、県発注の建築(特A、A級)・電気(A級)・管(A級)工事に対する総合評価落札方式で、手持ち工事数評価の導入や地域精通度を県内全域で地区割りし評価する一方、工事成績評価の配点などを縮小するなどし、落札企業の過度の偏りを是正する。3月に公表した見直し案に配点内容を盛り込んでおり、入札公告日における同種の施工中工事の有無で、建築で30点、電気・管で各20点の差が付けられる。地域精通度については、現行で建築A級の一部エリアでのみ適用していた加点(主たる営業所の所在で15点)を、これら全てに適用し、配点も20点に拡大する。
建設企業の適正な評価への見直しでは、県外で発生した大規模災害時における相互支援協定や被災自治体などの要請に基づく「企業としての支援活動」について、過去3カ年の実績を評価(「2点」を配点)する。また、災害時の活動について、総合評価落札方式における評価を廃止し、18年度の格付けから反映させる。
WLBの推進など担い手の確保・育成では、出産・育児などに配慮した技術者評価の実施(総合評価落札方式)や受発注者間で曜日ごとの仕事の進め方を共有する「ウイークリー・スタンス」を委託業務で試行する。担い手育成の提案対象工事の拡大(総合評価落札方式)なども図る。
提供:建通新聞社