香川県土木部は、2017年度から建設現場の「完全週休2日制(土・日曜日)モデル工事」と「余裕期間設定工事」を試行する。いずれも県内の5土木事務所単位で数件程度を実施しつつ、課題などを検証する。
完全週休2日制モデル工事の対象は、土木部が発注する設計金額3000万円以上の土木一式工事の中から発注者が選定し、入札公告と特記仕様書にもモデル工事であることを明記する、「発注者指定型」のタイプ。この場合、実施できなくても罰則はないものの、完全週休2日のモデル工事名、受注者名、工期や「休工」の実績などを含めて県のホームページで公表の対象になるという。
もう一つはモデル工事以外でも設計金額3000万円以上の土木一式工事の受注者から受注工事をモデル工事にしたいとする申し出があった場合に、発注者が適当と認めた工事を対象にする。工事着手前で、かつ、土曜日と日曜日を「休工」としても契約工期内に完了することが確認できる工事が対象になる。
モデル工事の受注者は、工事着手日から竣工日までの期間で、原則1週間のうちの土曜日と日曜日を連続して工事現場と現場事務所での全ての作業を一時的に中断し現場を閉場する「休工」としなければならない。
ただし、災害時の緊急対応と品質管理・安全管理などのために継続して行う作業は「この限りではない」と適用から除外している。やむを得ずに土曜日と日曜日を「休工」にできない場合は、工事打ち合わせ簿により事前に監督員と協議。振り替えが必要な日を含む前後7日以内の土、日以外の曜日を受注者が「休工日」に決めるよう求める。
また、モデル工事は祝日がある場合でも原則1週間のうち土、日を「休工」とする。降雨などによる予定外の「休工日」はモデル工事では実績とならない。受注者は「休工日」の確保が確認できるよう工事日報を発注者に提出する。
県は竣工検査日までに受注者にアンケートを実施。課題を把握し改善につなげる。また、受注者の完全週休2日の取り組み結果を工事成績評定の創意工夫の項目で評価する考えだ。
一方、「余裕期間設定工事」の試行は柔軟な工期の設定により施工時期を平準化し、人材・資機材の効率的な活用や年間を通じて働ける環境整備を通じて技術者・技能者の処遇改善と建設生産システムを改善する狙い。
入札公告などで余裕期間設定工事であることを明示。契約締結日から起算し60日間(土日祝日を含む)を余裕期間として受注者が同期間の工事開始日を任意に決める。この場合、受注者は契約締結の日までに工事開始日を定め、「工事開始日通知書」により発注者に通知する。また、余裕期間の設定により増加する経費は受注者負担としている。同試行工事についてもアンケートを実施し、次年度以降の制度改善につなげていく。
提供:建通新聞社