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建設新聞社
2017/04/06

【東北・宮城】東松島市鳴瀬桜華小の基本・実施設計プロポ 久米・阿部仁史JVが最優秀

 宮城県東松島市は、公募型プロポーザルの手続きを進めていた鳴瀬桜華小学校の移転新築事業に係る基本・実施設計の受託者選定について、審査の結果、久米設計・阿部仁史アトリエJVを最優秀提案者に決定した。今後、見積り合わせを行い、今月中の契約を目指す。
 プロポには13者が参加し、このうち6者が一次審査を通過。3月29日に二次審査となるプレゼンテーションおよびヒアリングを公開で行った結果、一次・二次審査の総点数1340点満点中、1115点(一次審査119点+二次審査996点)を獲得した久米設計・阿部仁史アトリエJVを第1位に選定した。審査委員会は、工藤昌明教育長を審査委員長とし、▽小山修教育次長▽高橋ひさ子前教育総務課長▽仲上浩一学校教育課長▽相沢武志建設課長―と、学識経験者として小野田泰明東北大学大学院教授の計6人で構成した。
 鳴瀬桜華小は、2013年4月に旧浜市小学校と旧小野小学校の統合校として開校し、現在は旧小野小校舎を利用し授業を行っている。今回の事業は現校舎と敷地の狭隘化に伴い、同市小野竹沢および宮前地内の山林に移転新築するもので、整備は旧浜市小の災害復旧事業として実施する。
 国際開発コンサルタンツが策定した基本構想・計画では、敷地面積は1万6100平方bで、校舎は3階建て、延べ約4800平方b、屋内運動場は延べ1200平方b程度での建設を想定。このほか敷地内には25b×6コースのプールおよび付属棟、倉庫なども設ける。学級数は普通学級12学級、特別支援学級2学級の計14学級を基本としている。
 久米設計・阿部仁史アトリエJVは、里山≠フ学校をテーマに教育活動と地域活動を一体的に行える空間構成を提案。校舎と屋内運動場を一体的に配置しつつ、教育・地域活動の境界面として校舎内の1〜3階の全てに多目的ホールを設けることで、多様な使用方法が可能なデザインとした。また、校舎の主構造は安全性・防火・防音を考慮したRC造とし、地中熱を利用するクールヒートチューブや太陽光発電などを設置する。
 審査委員会の講評では、、学校運営と地域開放のゾーニングが明確かつ効率的な点や、強い季節風の影響を受けやすい高台であることを考慮した土地利用とレイアウト、新学習指導要領対応として、グループ学習やアクティブラーニングなどの活動形態を重視した多目的活動スペースの効果的な配置かつコンパクトな施設レイアウトが高い評価を受けた。
 今後のスケジュールは、オオバに委託中の造成設計業務(履行期限は9月29日まで)が完了後、本年度中に造成工事に着手。19年度から20年度にかけて建築工事を実施し、21年度からの供用開始を目指している。

 提供:建設新聞社