北海道建設新聞社
2017/04/06
【北海道】鶴雅HDが支笏湖温泉に25室の最高級ホテル−18年夏開業
鶴雅ホールディングス(本社・釧路市、大西雅之社長)は、千歳市支笏湖温泉で「しこつ湖鶴雅別邸碧の座」を新築する。5月中旬にも施工業者を選定し、8月に着工。2018年6月末までに完成させ、同7月の開業を目指す。釧路市阿寒湖温泉でも「あかん遊久の里鶴雅」などの改修を予定。新施設の整備や老朽化施設を改修し、集客につなげる。
しこつ湖鶴雅別邸碧の座は、ホールディングス子会社の鶴雅観光開発(釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目6の10、山田勝晴社長)が、16年に解体を終えた支笏湖温泉の旧支笏湖北海ホテル跡に新築する。規模はRC造、4階、延べ約6500m²。全25部屋に支笏湖が見える展望風呂と内風呂を備え、デッキを含み1室100―140m²の広さを確保する。
1階には和食レストランや暖炉のあるラウンジやバー、ショップ、2階にはトリートメントスパなどを配置。水の上に浮かぶホテルをイメージし、エントランス周辺には水辺をつくる。1人1泊2食付きで5万―10万円の価格帯を想定し、鶴雅グループ最高級の施設とする。
総事業費は30億円。同グループであかん遊久の里鶴雅以外にホテルを新築するのは初めて。山田社長は「支笏湖エリアでは宿泊施設が200室と限られている。『しこつ湖鶴雅リゾートスパ水の謌』は年間85%の稼働率となっており、宿泊客の25%を外国人旅行者が占める。新築する碧の座でも50―60%の稼働を見込める」と話し、品質の高さを確保し国内外の富裕層を呼び込む考えを示した。
実施設計は久米設計が担当。施工業者は5月中旬にも決定する見通しだ。
ホテル新築と併せて、30室程度の従業員寮も建設する。千歳市消防署支笏湖温泉出張所の近くに位置する水の謌の従業員寮に隣接させる。6月に着工し、秋口までに完成させる予定だ。設計・施工業者は未定。
このほか、鶴雅リゾート(釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目6の10、金子力社長)が所管する阿寒湖温泉の施設でも改修などを計画している。
あかん遊久の里鶴雅では3号館の大規模改修に1日から着手。6月25日の開業に向け、同20日までに終える。事業費4億5000万円を投じ、客室を48室から40室に減らし、このうち4室をバリアフリールームとする。バリアフリールームは既に4室あるが、高齢の富裕層の受け入れ体制をさらに強化する。
間仕切りを変更して部屋を広くするほか、水回りを改修したり、ジャグジー風呂を整備。照明や木材を組み合わせ「木漏れ日」をイメージした部屋とする。
実施設計は太極舎、施工は岩田地崎建設が担う。
「あかん鶴雅別荘鄙の座」では5000万円程度を投じ、全25室で水回りの傷んだ部分を改修する。4月から順次進め、18年6月までに完成させる。
あかん遊久の里鶴雅と「あかん湖鶴雅ウイングス」の間にある中庭では、木彫などアイヌアートの充実やドレスガーデン、プロジェクションマッピングなどを計画。設計・施工業者は今後選定し、10月にも着工する。降雪期を除き18年4月以降まで整備を続ける。事業費は約1億円を見込んでいる。