公共工事の円滑で適正な施工を支援するため、工事代金の一部を前払いで支払う前払金保証制度について、富山市と高岡市が支払限度額(2億円)を撤廃、廃止することを決定した。ともに1日以降に入札公告する工事から適用していく。
地域の建設業者、元請け業者における資金調達の円滑化を目的に改正したもの。請負代金額の40%以内で実施される前払金保証制度の活用は、発注者と受注者のどちらにもメリットがあり、中間前払金制度も含め、県内すべての自治体で導入されている。
一方、昨年度までの前払金の実施基準では、県と立山町以外の自治体は、1億円または2億円の限度額が設定され、元請け業者にとっては大型工事案件における資金の立替などで、懸念が生じていた。
改正内容を見ると、富山市は前払金2億円、中間前払金1億円の限度額を廃止。それぞれ請負代金額の40%以内、20%以内に変更する。そのほか、総合評価落札方式の評価項目に「前年度に排水ポンプ車運転作業業務の出動実績がある」(10点加算)を追加した。
高岡市は、支払限度額2億円を撤廃。また、複数年度に渡る工事の前払金については、契約初年度に契約金額の4割を支払っていたが、今後は各年度の出来高予定額(支払限度額)の4割を支払うことになる。
県内の前払金保証事業を担当する東日本建設業保証富山支店では、地元建設業界と協力しながら支払限度額の撤廃などの運動を展開してきた。
今回、県庁所在地の富山市、第二の都市である高岡市が撤廃に踏み切ったことで、他自治体への拡大が進むものと期待される。