北陸の地域特性に根ざしたユニバーサルデザイン(UD)の普及を図り、その考え方や手法を福祉医療、地場産業、建築、スポーツ、アート、観光といった様々な領域での課題解決やデザインの推進を目指す「一般社団法人ユニバーサルデザインいしかわ」が設立され、3日に記者会見が行われた。
理事長の荒井利春氏(荒井利春実験工房主宰、金沢美大名誉教授)は「従来の基準やマニュアルを超えたユニバーサルデザイン、ユーザー参加型のインクルーシブデザインで日常の生活をより豊かにし、地域を活性化させることができる」と強調。副理事長の浦淳氏(浦建築研究所代表取締役)は「UDという特別な意識で区別するのではなく、それが標準化したデザインという捉え方であり、石川からその精神を発信していきたい」と述べ、専務理事の安江雪菜氏(計画情報研究所専務取締役)は法人設立の経緯について「バリアフリー化の分野で全国に先駆けてきた石川県の取り組みを第2ステージに進め、ハードだけでない新たな魅力を秘めた解を導き出していく」と説明した。
活動方針として▽北陸型のユニバーサルデザインプロジェクトの実践▽多様な事業主体とユーザーをつなぐネットワークの形成▽UDを実践する人材の育成―を図る。今年度事業として今月15日に設立記念シンポジウム「UDで拓く、多様で豊かな生活情景」、7月8日にデザインワークショップを開催するほか、コラボプロジェクト「UD茶会―立礼のUD空間デザイン」も予定されている。
理事には角谷修、根上健正、早川和良、秋元雄史、水野一郎、吉村寿博、岡宏の各氏が名を連ねている。なお、賛同する企業会員などを募集している。