笠松町は、新水道ビジョン(案)をまとめた。2017年度からの10年間を期間とし、上水道事業の現状と将来の見通しを分析・評価し目標を定めて施策の着実な促進を図る。この中で、基幹施設の概算更新費用や管路の耐震化の整備優先順位など目標達成のための具体的な施策を示した。第1水源地には更新費用として概算で5億円余りが必要だとしている。今後市民意見を求め、4月以降に策定する。
基幹施設では、第1水源地、第3水源地、第4水源地の耐震診断を進め、その診断結果により耐震補強などの具体的な耐震化を行う。また、各水源地の井戸内のカメラ調査や揚水試験により井戸の健全性、揚水能力を確認して安全な施設の再構築を図る。
このうち第1水源地は、管理棟建屋や機械設備の経年による老朽化が進んでいるため、全体的に施設を更新する。更新の概算費用は、▽管理棟―鉄筋コンクリート造平屋155平方b(5000万円)▽取水施設―取水ポンプ(850万円)▽浄水設備―薬注ポンプ2台など(1000万円)▽配水設備―排水ポンプ4台など(3550万円)▽電気設備―発電機、計装盤など(3億1150万円)▽計装設備―計器類、監視装置など(6000万円)▽調査費―測量、設計、現場監理、建築確認申請(2500万円)▽配水池耐震診断―プレキャストコンクリート造1500平方b(500万円)で、計5億0550万円が必要だとした。
基幹管路の耐震化としては、町内全管路が約150`にのぼるため、10年間で全て耐震化するのは難しいとして、優先順位を決め随時整備を進めていく方針とした。口径150_以上の配水本管や災害時指定医療機関、重要避難所などに給水する配水管を重要基幹管路として、更新計画を進めていく考えだ。優先路線に該当するのは、病院が「松波総合病院」の1カ所、公共施設では、役場や岐阜工業高校、各コミュニティー施設など19カ所となっている。
この他、老朽管路の更新についても目標を定めた。更新には耐震管を使用し、「基幹管路耐震化計画」と「老朽管更新計画」の二つの計画で進めていく。さらに石綿管が部分的に残ったまま敷設されている箇所もあるため、これは「老朽管更新計画」に併せて耐震管に敷設替えしていく考えだ。
提供:建通新聞社(2017/04/04)