南房総広域水道企業団は、2017〜26年度の10か年を計画期間とする「南房総広域水道企業団中長期経営プラン2017」をまとめた。「安全」「強靭」「持続」の3つの基本目標の達成に向けて、資本的支出84億3017万円で大多喜浄水場の更新改良事業、災害対策事業、房総導水路緊急改築などを実施。収益的支出67億円で浄水場設備点検整備や浄水場構造物補修、水管橋塗装修繕などを実施するほか、房総導水路管理費を負担する。
同プランは「南房総の未来をつなぐ安全・確実で信頼される広域水道」を基本理念に、「安全」「強靭」「持続」の3つを基本目標の達成に向けて施策を推進する。
「安全」では、新たな浄水処理方法の調査・検討を行い、「強靭」では、管路の計画的な更新に向けて更新管ルートを選定するほか、浄水施設の更新、調整池等の増設などを実施。「持続」では、民間活力の活用や用水供給事業体の統合への取り組みを進める。
資本的支出は、更新改良事業に50億8957万円を見込み、大多喜浄水場の各種設備及び水質検査機器等を更新するほか、災害対策事業で非常用粉末活性炭保管庫築造工事1489万円と配水池増設工事20億円の合計20億1489万円を予定。非常時用の粉末活性炭の保管庫を築造し、非常時の対応力強化のため、浄水場及び送水管路に配水池を増設する。また、房総導水路施設緊急改築事業(17〜20年度)に13億2571万円を予定。水資源機構の老朽化対策及び耐震化を図るため、各揚水機場の電気・機械設備の更新、トンネルの耐震補強等の改築の事業費を負担する。
一方、収益的支出は、浄水場の送水ポンプ設備、電気計装設備等の点検整備を行う浄水場設備点検整備に22億2090万円、薬品沈殿池、浄水池の内面塗装修繕等の補修を行う浄水場構造物補修に4億6434万円、水管橋塗装修繕に1億4946万円、その他空気弁の点検・補修、大型仕切弁点検整備等に1億6918万円を予定するほか、管路更新計画策定に伴う管ルート選定業務委託(19〜21年度)に3000万円、新たな浄水処理方法の検討調査委託(26年度)に909万円、末端給水事業統合支援事業(17年度)に1847万円、大多喜ダム建設中止に伴う導水管撤去事業(17〜19年度)に1億998万円、房総導水路管理費負担金に35億8698万円を予定する。
年度別の投資計画は次の通り。
【更新改良事業】
▽17年度(8727万2000円)=中央監視制御設備更新、遠方監視制御設備更新、次亜塩貯蔵槽更新▽18年度(5億5515万4000円)=中央監視制御設備更新、遠方監視制御設備更新、次亜塩生成装置電極更新▽19年度(5億5245万9000円)=中央監視制御設備更新、遠方監視制御設備更新▽20年度(4億8328万1000円)=水質計装設備更新、受入地点水質計器更新、場外施設水質計器更新、ろ過池ろ過砂更新、ろ過池集水設備更新、ろ過池洗浄装置更新、排水排泥ポンプ設備更新▽21年度(5億6969万1000円)=水質計装設備更新、受入地点水質計器更新、ろ過池ろ過砂更新、ろ過池集水設備更新、ろ過池洗浄装置更新、硫酸貯槽更新▽22年度(3億6390万2000円)=受入地点水質計器更新、ろ過池ろ過砂更新、ろ過池集水設備更新、ろ過池洗浄装置更新▽23年度(5億8939万5000円)=沈殿池設備更新工事、沈殿池動力設備更新工事、沈殿池傾斜管更新工事、沈殿池覆蓋更新工事▽24年度(7億1526万5000円)=柱上気中負荷開閉器更新、沈殿池設備更新工事、沈殿池動力設備更新工事、沈殿池傾斜管更新工事、沈殿池覆蓋更新工事、混和池・フロック形成池設備更新▽25年度(7億5606万8000円)=沈殿池設備更新工事、沈殿池動力設備更新工事、沈殿池傾斜管更新工事、沈殿池覆蓋更新工事、混和池・フロック形成池設備更新、次亜塩生成装置電極更新▽26年度(4億1712万5000円)=受電設備更新、配電設備更新、混和池・フロック形成池設備更新、排水排泥撹拌設備更新、濃縮槽掻寄機更新、場外施設次亜塩生成装置電極更新
【建設事業】
▽17年度(1489万4000円)=非常用粉末活性炭保管庫築造▽20〜26年度=配水池増設工事。@20年度(1000万円)浄水池設計A21年度(2000万円)調整池設計、浄水池築造B22年度(5億9000万円)浄水池築造C24年度(4億円)、26年度(9億8000万円)調整池築造工事