近鉄グループホールディングスの近鉄不動産(大阪市)が金沢市此花町のJR金沢駅前で所有している「金沢都ホテル」が31日のチェックアウトをもって営業を終了する。1963(昭和38)年3月の開業以来、半世紀以上にわたって、同駅前のシンボルとして親しまれてきた。
同ホテルは本館が62(同37)年、金沢で最初の都市型ホテルとして完成した。本館はRC造地下3階地上7階(塔屋3階)建て、新館が地下1階地上8階(塔屋3階)建てで、延べ床面積は全体で3万1984・89平方メートル。運営は近鉄・都ホテルズで、客室数は191室で宴会場は最大300人を収容した。敷地面積は4886・28平方メートルで土地所有者は金沢都ホテルと福井銀行、一部賃貸となっている。
今後はホテル、オフィス、商業施設などによる複合ビルとして建替えを計画しており、既存施設の解体後、新たなビルを建設する。具体的な計画について近鉄不動産では「検討作業を進めている段階で公表できる内容はない」(広報)としている。
現在、金沢駅西にオリックスによる外資系ホテル「ハイアットセントリック」の進出が決まったことから、金沢都ホテルも系列の外資系ホテルを誘致するのではないかとの観測もあり、計画の具体化が注目される。
半世紀以上の長い歴史と伝統、格式を誇り、金沢駅前のシンボルとなってきた金沢都ホテル。北陸新幹線金沢開業を追い風に、2020年の東京五輪やインバウンド需要などに応えていく構えであり、再開発の行方に関心が集まっている。