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北海道建設新聞社
2017/03/29

【北海道】標茶町の旧学校敷地内で水耕栽培−校舎利用し合宿施設も 

 標茶町が利活用を募集していた旧阿歴内小中学校を借り受け、グローバルアップ(本社・標茶)が発芽ニンニクの水耕栽培に乗り出す。近く敷地内に水耕栽培施設を建設し、ことし6月から本格出荷する予定。早ければ9月にも校舎・屋体を利活用したスポーツ合宿施設とレストランの計画に着手する。
 阿歴内原野基線137の10にある旧阿歴内小中は、児童数の減少から2016年3月に閉校。敷地面積は2万6164m²で、1984年建設の小学校棟(S造、2階、延べ476m²)、99年建設の中学校棟(RC造、平屋、延べ654m²、W造、平屋、延べ766m²)と屋体(S造、平屋、延べ676m²)があり、旧教職員住宅2棟、物置1棟、プール1棟も配置されている。
 同町出身で東京都内在住の小沢保さんが「人口減が進む故郷の地域活性化に貢献したい」と町内での事業を検討。16年12月に町内の知人らとグローバルアップを設立し、会長に就任した。
 同社と町は3月1日付で敷地2250m²と教職員住宅、物置の賃貸借契約を締結。事業費6000万円を投じ、K型ハウス(平屋、約200m²)の発芽ニンニク水耕栽培施設を建設する。栽培キットはメーカーに特注し、建物は町内のカネゼン建設に依頼。4月にも施工を始め5月中に完成する予定で、従業員研修を経て、6月中には生産を開始する見通し。
 発芽ニンニクは茎や根も全て食べることができ、収穫まで6日間という早さが特長。1日に1万6200個を収穫する予定で、町内スーパーや首都圏へ出荷するほか、商品開発も計画する。パート従業員は町内から10人程度を雇用する考えだ。
 校舎・屋体については、スポーツ合宿やインバウンド向けの宿泊施設、レストランとして運営する計画。100人以上が収容でき、グラウンドやプールもあることから、スポーツ合宿専門の旅行業者とも誘致に向けた話し合いを進めている。早ければ9月にも町と土地・建物の賃貸借契約し、事業費7000万―8000万円をかけて改修や風呂場の設置、備品購入を進め、来春以降の開業を見込む。
 また、時期は未定だが、町内の別の土地でヤギ牧場を始める計画もある。最初は10―20頭で始め、3年かけて500―700頭に規模を拡大する意向だ。
 小沢会長は「いずれの計画も、ふるさとの地域貢献を考え、全力で取り組みたい」と意欲を燃やしている。