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建設新聞社
2017/03/28

【東北・宮城】宮城県石巻市でRC造12階建て延べ8130uの優良建築物等整備事業

 宮城県石巻市の商業事業者などで組織する中央二丁目4番南地区商業地活性化協議会(宮城県石巻市立町1の2の11 近藤末雄会長)は、中心市街地の活性化に向けて、石巻市中央2丁目4番南地区で優良建築物等整備事業(優建事業)による新たな住宅・商業施設の建設を計画しており、現在はアイテック計画(東京都新宿区)に実施設計を委託し進めている。
 中央2丁目4番地区ではこれまで、中心市街地の核となる店舗や住居のほか、高齢者向け住宅などで構成する複合ビルを建設する再開発事業を計画し、2013年7月に準備組合を設立したが、地権者全員からの同意が得られなかったため事業を断念し、15年5月に準備組合を解散した。
 その後、同地区の一部地権者で構成する中央二丁目4番南地区商業地活性化協議会を設立し、優建事業による施設共同化事業を計画。協議会会員数は5人で、これまで事業の具体化に向けた事業手法の検討などを進めてきた。
 計画地は石巻市中央2の101の9ほか地内の施行面積2265平方b、敷地面積1811平方bで、石巻中心部のアイトピア商店街に面したところ。計画によるとここに、RC造12階建て、免震構造の住宅・商業業務施設やS造の立体駐車場などで構成する延べ8130平方bの整備を実施する。
 住宅・商業施設については、1〜2階に店舗スペース計7区画を設け、商業を営む地権者が入居するほか、新規事業者を募集して賃借する。3〜12階は3LDKタイプや4LDKタイプなどの住宅68戸で構成。住宅部分は権利者住宅2戸と分譲住宅66戸とし、分譲住宅はディベロッパーが販売を担当する。総事業費は約32億円で、このうち工事費は約24億円(税込み)を見込んでいる。
 施設について近藤会長は「かつては交通量が多く、買い物客で賑わっていたこの地でコア(核)の再生を図りたい」と話しており、建物は地域のランドマークとなることを意識したデザイン。また、施行区域内にはイベントなどに利用できる広場ゾーンを設けて賑わいの創出を図るほか、かまどベンチや防災トイレ用のマンホール、建物内に防災備蓄倉庫および津波避難所を設けるなど災害時への対応策も実施する。
 事業関連業務はこれまで、事業の具体化に向けたコンサルティング業務全般や基本設計をアイテック計画、現地測量は東北都市整備(石巻市)、建物調査は新都(東京都豊島区)が担当。現在はアイテック計画が担当する実施設計のほか、地盤調査をアサノ大成基礎エンジニアリング(東京都台東区)に委託し進めている。
 今後、実施設計と地盤調査をことし7月まで行うとともに、5月には既存施設の解体工事に着手。解体工事施工者の選定は早ければ4月下旬を予定している。本体工事については10月の着工を目指しており、補助金として活用する復興交付金事業計画の配分決定を受けてから施工者の選定を実施。中央企業と地元企業で構成するJVの施工を予定している。全体完成は19年3月を目指す。

 提供:建設新聞社