県県土整備部は、建設工事に係る制度の改善を行う。主な内容は、総合評価ガイドラインの見直しとICT活用工事試行要領の制定。総合評価ガイドラインの見直しでは、若手技術者・女性技術者の評価を試行するほか、優良工事表彰制度の見直しに係る評価項目や特定JVで受注した工事の評価方法の見直しを実施。また、ICT活用工事試行要領を制定し、県発注工事でのICT施工の普及・促進を図る=別表参照=。
若手技術者・女性技術者の評価の試行は、年齢35才未満の若手または女性の技術者を主任(監理)技術者または現場代理人として配置する場合に評価の対象とし、建設業における将来の担い手を確保する。
優良工事表彰制度の見直しでは、表彰されなくても表彰対象となるような優良工事を施工した場合、従来と同じく表彰工事と同様の2点を加点する。
特定JVで受注した工事の評価方法では、優良工事表彰を受けた場合、通常2点が加点され、これまで出資比率で按分していたが、今回の改正で、特定JVでも単独で受注した場合と同様に出資比率を掛けずに評価し、加点する。
ICT活用工事については「ICT活用工事試行要領」を制定。これまでに県内でも土工量の多い工事等でICT建機を活用した事例があるが、施工管理や検査の基準が未整備で、わざわざ従来仕様に基づいて施工管理を行い検査を受けていた。今回の要領制定で、受注者の希望があれば、発注者と協議のうえ、必要経費の設計変更計上や工事成績の加点などのインセンティブが付与され、県発注工事でのICT施工の普及促進を期待する。
改正の概要は次の通り。
■若手技術者・女性技術者の評価(試行)
県土整備部発注の対象工事で「若手技術者(35歳未満)・女性技術者の配置」を評価。
【対象工事】
▽型式=特別簡易型、簡易型▽入札参加資格要件(地域要件)=県内本店▽業種=県土整備部が発注する予定価格1億円以上の土木工事一式及び建築一式工事
【評価項目及び評価基準】
「企業の技術力自由項目設定」の項目に「若手技術者・女性技術者の配置」を設定。
▽項目=自由項目設定▽細目=若手技術者・女性技術者の配置▽配点=1点▽対象区分=配置あり(1点)、なし(0点)
■優良工事表彰制度の見直しに係る評価項目の見直し
優良工事表彰制度の見直しに伴い、従前と同様に、優良な施工実績を持つ企業を評価できるよう、評価項目の見直しを行う。
▽項目=企業の施工能力▽細目=過去2か年度間の当該業種における優良工事表彰対象工事▽配点=2点▽対象区分=優良工事表彰対象工事あり(2点)、なし(0点)。
■特定JVで受注した工事の評価方法の見直し
特定JVとして受注した工事に対する評価方法について、出資比率による按分を見直す。
【特定JVで受注した工事の評価方法】
〈企業の施工能力〉
▽細目=過去2か年度間の当該業種における優良工事表彰対象工事▽配点=2点▽評価方法=出資比率を掛けずに評価
〈配置予定技術者の能力〉
▽細目=主任(監理)技術者として施工した千葉県所掌工事における過去1か年間の「業種・○○」での工事成績▽配点=1点▽評価方法=出資比率を掛けずに評価。※経常JVについては変更なし。
■県土整備部ICT活用工事試行要領の制定
▽適用条件=@「施工者希望型」(表中※1)として実施し、「ICT活用工事積算要領」に基づき設計変更の対象として取り扱うA土工(対象工事)を含む工事B特記仕様書に「ICT活用工事」が設定されている工事C希望表明可能時期は土工にかかる起工測量開始前まで。適用条件は17年4月1日以降(契約手続きを開始する工事に適用。総合評価の技術提案でICT技術の活用は評価対象とはならない)。
▽対象工事=県土整備部が発注する工事で、@土工数量は1000立方m以上A河川土木(掘削工、盛土工、法面整形工)B道路土工(掘削工、路体盛土工、路床盛土工、法面整形工)。※ICT活用工事=建設生産プロセスの@3次元起工測量A3次元設計データ作成BICT建機による施工C3次元出来形管理等の施工管理D3次元データの納品――の全段階でICT施工技術を全面的に活用する工事