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建通新聞社(神奈川)
2017/03/24

【神奈川】本牧沖埋め立てへアセス着手 計画段階配慮書の縦覧スタート 新本牧ふ頭整備 関東地整・横浜市

 国土交通省関東地方整備局と横浜市は「新本牧ふ頭」の整備に向けて環境影響評価(環境アセスメント)の手続きに着手した。3月24日付で環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書(横浜港新規ふ頭公有水面埋立事業)の縦覧をスタートし、新本牧ふ頭の整備を計画する「本牧沖」をはじめ3カ所の候補地を挙げて、埋め立てが水質や地形・地質などに与える影響を示した。4月24日まで市民らから意見を受け付けるとともに、国交省内での意見集約(90日以内)や環境大臣の意見聴取(45日以内)などを進めた上で、3カ所の環境影響を比較評価して計画の最終案(本牧沖の埋め立て)を決定。手続きを方法書以降の事業実施段階に移行させる構え。
 新本牧ふ頭は2014年12月改訂の横浜港港湾計画で本牧ふ頭D突堤(横浜市中区)の東方沖約144fへの整備が位置付けられた。約2400万立方bの浚渫土や建設発生土などを活用して▽荷さばき施設と保管施設のふ頭用地88・7f▽緑地3・6f▽臨港道路の交通機能用地2・8f―を造成するとともに、水深18b以上の岸壁800b(2バース)を築造。併せて浚渫土砂や建設発生土などを約1500万立方b埋め立てられる海面処分用地48・5fを確保する。総延長3400bの護岸や延長150bの防波堤も建設する。
 横浜市はコンテナターミナルとロジスティクスパークの一体的配置や南本牧ふ頭に続く建設発生土受け入れ場所の確保を目指し、新本牧ふ頭の事業化を国に要望。関東地整も▽岸壁・防波堤・護岸の構造形式▽埋め立て手法▽総事業費と事業全体の概略工程▽新規事業採択時評価の資料―の検討・作成作業を進めていた。
 また、横浜市の平原敏英副市長は3月7日の市会予算第1特別委員会で「引き続き国と連携しながら、早期事業化に向けて17年度から環境影響評価手続きに本格的に取り組んでいく」と答弁した。
 計画段階環境配慮書では、大水深・高規格コンテナターミナルと高度な流通加工機能を持つロジスティクス施設を一体的に配置した「新たな臨海部物流拠点の形成」を目的に、横浜港内の公有水面を埋め立てるとした。
 埋め立て規模を約140fと設定し、本牧沖、大黒沖、金沢沖の3カ所を候補地に挙げて水質や地形・地質などに与える影響を提示。このうち、新本牧ふ頭を計画する本牧沖では「金沢沖に比べて水質変化」や「周辺海域に細粒分の堆積等」が生じるおそれを指摘する一方、水深がおおむね19〜23bと最も深いため「浚渫量は他の2案と比較して少なく(地形・地質上の)影響が小さい」とした。
 提供:建通新聞社