日本工業経済新聞社(茨城)
2017/03/24
【茨城】茨城県が県北山間の高規格道路で新年度予算に調査費
県は、県北山間地域における高規格な道路の整備に向け「広域連携軸形成事業」を新規で事業化。新年度当初予算案に調査費として300万円を計上した。2017年度内に有識者で構成する道路懇話会を設置し、基礎的な検討に着手する。県議会定例会の予算特別委員会において、石井邦一議員(自民)の質問に澤田勝土木部長が応えた。
現在、県北地域では、東水戸道路のひたちなかIC〜常陸大宮市の国道118号までの区間が、国から地域高規格道路として指定を受けており、既存の道路を有効活用しながら、効果や優先順位を勘案し、整備を進めている。
これまでに、県道常陸那珂港山方線の常陸那珂港区〜国道245号までの区間や久慈川に架かる木島大橋などを整備。現在は、木島大橋南側〜国道349号までの区間について、事業化に向け地元や関係機関と調整を進めており、17年度には新規に事業着手する。
常陸大宮市〜大子町までの区間については、国道118号袋田バイパスの整備を進めており、現在は久慈川に架かる南田気大橋などの整備を進めている。
22日に開かれた県議会の予算特別委員会で石井議員は、県北山間地域への高規格道路について「県総合計画である『いばらき未来共創プラン』において、『2050年ごろのいばらきの姿』として描かれているものの、具体的な道路構想については未定のままである」とし、全体像と早期整備に向けた取り組みを質問。
澤田土木部長は、常陸那珂港山方線の整備状況などを説明した上で「常磐道、東北道、磐越道などの高速道路網を補完し、広域交通と地域間交流を支える道路ネットワーク構築は重要と考えている。隣接する福島県や栃木県とのつながりをより強化する将来的な道路構想を念頭に置きながら、時間短縮効果の大きい高規格な道路の実現に向けて、来年度予算に基礎的な検討のための調査費を計上した」と説明。
具体的には「来年度の新規事業としてお願いしている『広域連携軸形成事業』により、有識者からなる道路懇話会を設置し、基礎的な検討を進める」とした。
県は当初予算案で広域連携軸形成事業に300万円を計上しており、道路懇話会において、県北地域における高規格道路のあり方などを検討していく。