日本工業経済新聞社(茨城)
2017/03/22
【茨城】i−Con推進連絡会が初会合/課題は小規模対応や技術支援
国土交通省関東地方整備局の県内現地機関と県、県建設業協会で構成する茨城県i−Construction推進連絡会の初会合が17日、水戸市の常陸河川国道事務所で開かれ、県内におけるi−Con取り組み状況について情報を共有した。発注者側は今後も規定に沿ってICT活用施工を進めていく方針を示し、茨建協は課題として小規模施工への対応や土工以外の工種への拡大、技術面での支援体制などを挙げた。
同連絡会は、地域建設企業の意見などを把握した上でICT活用施工の円滑な普及を図ることを目的に、整備局管内の各都県に設置。本県連絡会の会長を務める八尋裕常陸河川国道事務所長は冒頭のあいさつで「少子高齢化時代にあって建設業が安定的・持続的に地域を守り、経済活動に寄与していただくことが究極の目的。発注者が策を打ち出しても、受注される皆さまに応じていただけなければ実を結ばない。本連絡会により連絡・調整、意見交換させていただくことは非常に意義のあること」と述べ、「ICT技術の全面的な活用のみならず、規格の標準化や施工時期の平準化についても話し合っていければ」と求めた。
議事ではまず、関東地整と県が県内におけるi−Conの取り組みについて報告。関東地整のICT活用工事の発注状況によると、2月24日時点における管内の適用済み件数は78工事。このうち県内分は26件で、都県別で最多となっている。また、県ではICT活用モデル工事実施要領を策定しモデル工事を発注するとともに、モデル工事の実施やICT普及を支援する「いばらきICTモデル工事支援協議会」を設置。ICT活用施工を行うことのみ指定し、契約後にICT施工内容を協議し設計変更する「施工者内容協議型」といった独自の実施方式も導入し、公告中を含め5件を実施している。
続いて行われた意見交換では、関東地整が東関道工事や鬼怒川緊急対策プロジェクトにおいて、今後もICT活用施工となる大規模土工が出てくるとの見通しを紹介。茨建協からは「小規模工事に対応した建機開発や、土工以外への適用が進めば普及は加速していくと思う」「現在行われている見学会から一歩踏み込み、3次元データの作成に関する講習会を開催することも有用ではないか」といった意見や提案が出された。