トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2017/03/29

【三重】奥川の整備計画概要を作成 三重県

三重県県土整備部は、大紀町内を流れる2級河川奥川を対象にした河川整備計画作成に向けて、「基本方針(案)の概要」、「整備計画(原案)の概要」を作成した。3月に開かれた三重県河川整備計画流域委員会(第8回)で諮られた。整備計画(原案)には、特に津波対策の施策として、河口部への水門の設置などを盛り込んだ。今後、関係住民アンケートを実施し、6月ごろ「整備計画(原案)」を作成し、三重県河川整備計画流域委員会に諮る計画だ。
 奥川は、錦峠の山地から発し、中河内川との合流点付近から流域河口部に広がる扇状地性低地を流れ錦湾に流れる流路延長4・5`の河川で、流域面積は13平方`。過去には、1974年の台風・豪雨で規模の大きい浸水被害が発生しているが近年は発生していない。
 既定計画は、86年度に全体計画を策定し、将来計画を10分の1、計画高水流量として河口部で毎秒200立方bを目標とした。河川整備の状況は、62年に災害関連事業、87年より河川局部改良事業を実施している。今回示した基本方針(案)の概要では、年超過確率を30分の1とし、基本高水流量は河口部で毎秒240立方b、また、降雨強度の数値を変更した。対策案は河道改修案を妥当とし、河床高を下げた断面(最大65a)を確保することで目標の流下能力を確保できるものとした。概算事業費は約40億円と見込んだ。
 整備計画(原案)の概要を見ると、計画規模は、年超過確率10分の1、計画高水流量は毎秒200立方_(基準点・河口部)とした。現況河道では、基本方針規模の30分の1の流下能力を確保できるが、整備計画規模の10分の1は確保できないことから、河口部から中河内川との合流部付近までの区間で河道掘削を行う。津波対策として、大紀町と漁港管理者が津波対策(防潮堤、特殊堤)に取り組んでいるものの、水門がない現状を踏まえ、河口部で最も川幅が狭い0・18`地点に津波対策水門を設置する計画で、予定箇所を検討している。
 この他、自然環境、河川景観の保全などの方向性を示した。

提供:建通新聞社