下水道事業の課題解決に向け連携 維持管理業務の一括発注など検討へ 市町の垣根を越え広域化による下水道事業の諸課題の解決を目指す「ながさき下水道連携協議会」が発足。関係する県内の16市町や国土交通省九州地方整備局、県の担当者が参加し、17日に長崎市内のホテルで設立総会が開催された。下水道法に基づく協議会の設立は九州で初。全国的に見ても3番目の早い取り組みとなる。
2015年度に下水道法が改正。複数の下水道管理者により広域的な連携を検討できる協議会制度が創設されたことを受け、県の呼び掛けで同協議会が発足するに至った。現在下水道事業を行う長崎市、佐世保市、諫早市、大村市、松浦市、壱岐市、西海市、雲仙市、南島原市、長与町、時津町、東彼杵町、川棚町、波佐見町、小値賀町、佐々町の9市7町と国、県が協議会のメンバー。直面するさまざまな課題解決に向け、広域的な連携を協議する場となる。
将来にわたり下水道を適正に管理していくためには、下水道施設の維持管理の効率化が不可欠。このような視点に立ち、維持管理業務の一括発注による維持管理費用の削減や下水処理場から発生する汚泥の共同処理の広域連携などが可能か模索していく構えだ。
本県は16年度、下水道の効率的な運営体制の構築検討業務におけるモデル都道府県に採択され、国と共同で検討を行ってきた。同協議会では今後、汚泥処理の広域化を図るため、「長崎県汚泥処理構想」策定を検討課題とし、17年度に策定を予定。18年度以降、実施手法を検討。広域化や共同化に関する課題について議論を重ねていく。
17日に開かれた設立総会の冒頭のあいさつで、県環境部の太田彰幸部長が「人口減少などの問題を抱え、広域的に連携を行っていく必要がある。課題の解決に向け、皆さまと連携して努力していきたい」と述べ協力を呼び掛け。会長に太田部長、副会長に長崎市上下水道局の武田敏明局長が就くことが決まり、それぞれが連携に向け抱負を語った。