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日本工業経済新聞社(埼玉)
2017/03/14

【埼玉】埼電協が社会保険未加入対策講習会

 埼玉県電業協会(岡村一巳会長)は9日、2016年度(平成28年度)社会保険未加入対策講習会をさいたま市南区の建産連研修センターで開催した。第1部では県土整備部建設管理課技術管理担当の日比野恭彦主幹と、総務部入札課企画・公共調達改革担当の鈴木貴志主査が埼玉県の対応について説明。第2部では一般社団法人日本電設工業協会派遣講師で、社会保険労務士法人エールの加藤大輔氏が『17年の社会保険未加入対策〜厳格化する建設業での労務管理〜』をテーマに解説した。
 岡村会長は「重層構造の雇用形態である建設業では、一人親方の力を借りるということが大変多いと思います。社会保険への加入が厳格化される中、対策を講じていただきたいと考えています」などとあいさつ。セミナーの趣旨を述べた後、講師を紹介した。
 第1部では国土交通省の下請指導ガイドラインの概要として、元請、下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任について解説。また県の取り組みとして、4月1日以降の契約から適用する県建設工事標準請負契約約款の改正についても、健康保険、厚生年金保険、雇用保険未加入業者との一次下請契約を原則禁止することなどが伝えられた。
 引き続く第2部では加藤氏が未加入対策のスケジュール、取り組み内容を改めて周知。本来の目的である技能労働者の処遇改善による魅力ある産業への転身や、法定福利費を適正に負担する企業が不利になる環境の打破など、公平で健全な競争環境の構築の重要性を述べた。
 具体的な話として、年金事務所による未加入事業所への強制適用である2年遡及の現状、一事業主である一人親方(請負)と労働者(雇用)の対比、派遣が禁止されている建設作業員の有期労働契約の形態、建設業許可と関連付けけられたマイナンバーを用いた督促の厳格化などが解説された。
 下請指導に関しては「企業ごとのコンプライアンスの問題としての側面が大きい」と述べ、「社会保険の問題は、施工の品質や請負金額と同じように重要な要素。建設業界ではこれらへの対応が自社の営業力を大きく左右する時代を迎える」と結んだ。