次世代橋梁部材事業化研究会(会長・舘石和雄名大大学院教授)は橋梁の長寿命化へ、炭素繊維複合材料(CFRP)を補強部材に活用する国内初の実証試験に着手し、14日には対象橋のあわら市内、竹田川にかかる清間橋を会メンバー約35人で現場見学した=写真。
この研究会は県内の樹脂メーカーや大手のIHIや東レなど炭素繊維に関心の高い企業団体約40社で構成。15年7月の設立来、蓄積したノウハウを会員が実用化へむけリード役を担えるよう環境整備を図るねらい。今見学に先立ち、龍田光幸県産業労働部地域産業・技術振興課長が改めて挨拶中、強調した(概要説明は日光産業)。
今回の本格試験は、先に簡易的に取り組んだ志津川橋の試験結果を踏まえて実施。清間橋(単純合成鋼鈑桁橋、延長97・9メートル、築44年)では、主桁にかかる荷重を分散させる機能の端「対傾構」と横構、および中間「対傾構」の増設において、新部材のCFRPの実橋上のデータ測定に取り組むもの。取替の施工法や作業手順を検討し、新部材の設置前後で応用力の変化を静的載荷で計測比較。さらには光ファイバーセンサーを用いた、ひずみ計と従来ひずみ計による比較計測も行う。
福井県ではCFRPが鉄の4分の1の軽さで錆びず、施工がしやすい可能性を立証したい考え。中間対傾構は引き続き長期耐久性を確認。端対傾構については今月末に元の鉄材に取り換える。