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日刊建設タイムズ社
2017/03/16

【千葉】侵食対策の基本方針了解/県河川整備課/九十九里浜侵食対策検討会議/秋までに具体的計画作成

 県県土整備部河川整備課は15日、九十九里浜侵食対策検討会議(座長・近藤健雄日本大学理工学部海洋建築工学科特任教授)の第2回目を開催し、@侵食対策のメカニズムAこれまでの侵食対策の評価B今後の侵食対策の基本方針C今後の侵食対策の進め方――について審議。侵食対策の基本方針について了承した。会議での了解が得られたことから、今後、県が秋ごろまでにヘッドランドの設置位置など具体的な計画を作成し、会議に提案する予定。
 基本方針は、@目標としている「防災上必要な砂浜幅40mの確保」に向け、ヘッドランド等の施設整備とサンドリサイクルなど九十九里浜全体のバランスを考慮し、効果的に組み合わせて実施するA九十九里沿岸でのサンドリサイクルを積極的に行い、将来的には地域外の土砂による「養浜」の導入を検討する――など5項目とした。
 同会議は、砂浜の後退が進行する九十九里地域全体の侵食対策を検討するために設置。本年1月23日に第1回目を開催。2回目の今回は、侵食の発生メカニズムについて説明。そのうえで、これまで実施してきたヘッドランドによる侵食対策について評価。ヘッドランドは汀線後退を軽減するなど一定の効果を確認する一方で、ヘッドランド間の中央部で沿岸漂砂の不足により汀線の後退が見られるなどの課題を挙げた。今後の侵食対策では、全体のバランスを考慮した効果的な施設整備を行うことや、補助工法を含めた整備手順に留意することなどを侵食対策のポイントとした。
 これらを踏まえ、今後の侵食対策の基本方針として▽土砂の移動量を抑制するヘッドランド等の施設整備とサンドリサイクルなどの養浜を手順も踏まえ、九十九里浜全体のバランスを考慮し、効果的に組み合わせて実施▽養浜については九十九里沿岸でのサンドリサイクルを積極的に行い、将来的には地域外の土砂による「養浜」の導入も検討▽護岸等の施設で防災対策がされている箇所は、原則として新たな施設整備は行わず、養浜(サンドリサイクル等)による砂丘確保を実施▽地盤変動等の定量的な把握を継続的に行い、侵食対策の効果や影響を検証し、定期的に侵食対策計画の見直しを行う▽対策は、海岸利用の実情と環境に配慮するとともに、緊急性を考慮して進める――の5項目で合意した。
 今後の侵食対策の進め方では、サンドリサイクルを南九十九里浜から九十九里全体で行い、実施量を年間北2万立方m、南3万立方mとし、北九十九里では「試験的に養浜」を行い、その効果・影響を確認したうえで、段階的に進めることとした。当面の実施内容としては、@サンドリサイクル等のモニタリングと評価A海岸侵食の実態と対策に対する地域の共通理解及び情報交換B一松や中里での浜崖発生箇所について、緊急対策を先行して実施(養浜量の大小にかかわらず施設整備が必要な箇所)C目標達成に向けて、サンドリサイクルと施設配置のバランスの取れた最適案を策定すること――を挙げた。k_times_comをフォローしましょう
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