ふじのくにICT活用工事支援協議会は10日、静岡市内で第2回の会合を開いた。協議会として支援しているICT土工工事の実施状況が報告され、施工の中から考えられたステレオカメラを使っての補足測量による出来形確認の可能性、岩掘削が発生した場合の岩線計測方法、ICT建機を効率的に活用した全体最適化などが提案された。
清水西海岸高潮対策事業サンドリサイクル養浜工では、建機に搭載したステレオカメラで補足測量を行い、収集した3次元点群データを出来形確認に活用する可能性が示された。全体最適化については、単独のICT建機による作業効率のみを追求するのではなく、さまざまなICT建機の効率性を組み合わせることで工程全体の最適化を図ることが提案された。
また、国道136号東京五輪会場アクセス道路整備事業工事を施工している加和太建設(三島市)が、法面掘削で岩掘削が発生することから、現場条件の制約がある中で「岩線計測方法」の優位性を提案した。
国土交通省公共事業企画調整課の新田恭士企画専門官は、協議会の役割として「好事例をつくり、そのノウハウを共有化していくこと」を強調。静岡県の先進的な取り組みに期待を表した。
本年度の実施状況と今後の取り組みについては、県が報告。県工事のICT活用工事が2月末時点で、公告済み160件、契約済み131件で、このうち実施件数は9件となった。今後については、▽制度改善▽人材育成▽施工現場の直接的支援▽施工データの保管管理−などの項目で課題、取り組み内容を整理した。
この他、国交省公共事業企画調整課の近藤弘嗣課長補佐がICT土工の普及に向けた動向として、ICT導入協議会の検討内容を紹介。現状分析と、中小規模の工事でもより効率的に行うための基準類の改訂について解説した。また、協議会のアドバイザーに加わった全国建設産業教育訓練協会富士教育訓練センターが、センターで行う研修、講習などについて説明した。
提供:建通新聞社
(2017/3/15)
建通新聞社 静岡支社