高知県は、牧野植物園の磨き上げ整備に向け、2017年度当初予算案に測量設計などの委託料7945万円を計上している。ファミリー園(仮称)、スタディ園(仮称)の整備や、夜間開園に向けた照明を設置するための測量や設計費に充てる。工事費については17年度の補正予算で計上し、18年秋の供用開始を目指す。
ファミリー園は、牧野植物園本館と南園の間の約1万7000平方bに、子どもから大人まで、植物に囲まれ自由に過ごすことができ、五台山からの美しい眺望が見渡せる憩いの広場を整備する。
スタディ園は、牧野植物園本館と展示館の間の約9000平方bに、子どもから大人までが植物と触れ合いながら学んで遊べる広場や、植物を自由に触れる体験ゾーン、植物の有用性を学ぶゾーンを整備する。
両園とも、用地交渉がまとまり次第、測量設計を外注。早ければ12月補正予算で工事費を計上し、18年1〜2月に発注、同年秋の供用開始を目指す。
夜間開園に向けた照明の設置については、まず南園と温室を対象とした測量設計を5月にも外注、工事費は6月か9月補正予算で計上し、10月の着工を見込む。ファミリー園にも照明を設置する計画で、工事の進捗状況を見ながら測量設計や工事費を予算化し、18年秋の供用開始に合わせる。
磨き上げ整備の第1期構想では、お宝展示館・研究棟(仮称)の建設も予定されている。20年夏の供用開始を目指し、17年度当初予算には用地造成に向けた測量設計費を要望していたが見送られた。基本構想検討委員会で示された規模は、CLTを活用した2階建て延べ約1200平方bで、バーチャルリアリティー・8Kシアターを備える計画。
牧野植物園は18年度に開園60周年を迎える。県は「世界に誇れる総合植物園」を目指し、魅力・価値のポテンシャルを最大限引き出すための磨き上げ整備を進める。なお、第2期構想の取り組みも検討中で、現段階では長江圃場の高台移転、駐車場対策、入り口道路の狭隘(きょうあい)解消などが課題として挙げられている。
提供:建通新聞社